
ソフトウェア開発において、システムの設計を視覚的に表現するために用いられる「UML(Unified Modeling Language)」。 UMLは、プログラムの構造や動作を整理し、開発チームや関係者間の認識を統一するための標準的なモデリング言語です。
本記事では、UMLの基本概念から、そのメリット・デメリットまでを詳しく解説します。 「UMLを学ぶべき理由」や「実際の開発現場でどのように活用されているのか?」についても触れながら、UMLの重要性を深掘りしていきます。
これからUMLを学びたい方や、システム設計をより効率的に行いたいエンジニアの方にとって、実践的な知識を得られる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
-
- UMLとは何か
- UMLのメリットは何か
- UMLのデメリットは何か
UML(統一モデリング言語)とは?
『UML』(Unified Modeling Language)とは、日本語で「統一モデリング言語」と訳される、ソフトウェア設計のための標準的な記法です。 一般的にはそのまま「UML」と表記され、システムの構造や動作を視覚的に表現するために使用されます。
UMLは、「エンジニアの設計用途で使われる、作図上の決まり事」であり、ソフトウェア開発における共通のルールのようなものです。 特に、オブジェクト指向開発(Object Oriented Programming / OOP) において広く用いられます。
UMLの管理団体とバージョン
UMLは、OMG(Object Management Group) と呼ばれる非営利団体によって管理されています。 OMGは、UMLの標準化を推進し、最新の仕様を策定する役割を担っています。
UMLにはいくつかのバージョンが存在し、主に以下のように分類されます。
- UML 1.x系(1997年~2004年)
- 初期のUMLバージョンで、オブジェクト指向モデリングの基盤を確立。 - UML 2.x系(2005年~現在)
- UML 1.x の問題点を改善し、より実用的なモデリング手法へと進化。
最新バージョンは UML 2.5.1(2022年改訂) であり、現在の開発現場で最も広く使用されています。
オブジェクト指向とは?
オブジェクト指向とは、「データ」と「そのデータを操作する処理」を一つの単位(オブジェクト)として扱う考え方です。 プログラム言語でオブジェクト指向を実現するには、手続き型言語とは異なり、「カプセル化」「継承」「ポリモーフィズム(多様性)」という3つの重要な概念を活用する必要があります。
カプセル化
カプセル化(Encapsulation)とは、データ(変数)と、それを操作する処理(メソッド)を一つのクラスにまとめ、外部から直接アクセスできないようにする仕組みです。 これにより、プログラムの安全性が向上し、不正なデータの変更を防ぐことができます。
例えば、クラス内のデータやメソッドには「公開(public)」と「非公開(private)」を指定でき、外部から直接アクセスできるものとできないものを制御できます。 これにより、必要な情報のみを公開し、不要な情報を隠す(情報隠蔽)ことが可能になります。
継承
継承(Inheritance)とは、既存のクラス(親クラス)の機能を引き継ぎ、新しいクラス(子クラス)として拡張できる仕組みです。 この仕組みにより、共通の処理を親クラスにまとめ、子クラスでは必要な部分のみ追加・変更できるため、コードの再利用性が向上します。
例えば、「動物」という親クラスがあり、その「犬」や「猫」といった子クラスが親の特性を受け継ぐようなイメージです。 親クラスに基本的な機能を定義し、子クラスで特有の機能を追加することで、効率的なプログラミングが可能になります。
ポリモーフィズム(多様性)
ポリモーフィズム(Polymorphism)とは、同じ命令(メッセージ)を送ったとしても、オブジェクトごとに異なる動作を実行できる仕組みです。 つまり、同じメソッド名であっても、オブジェクトの種類によって異なる処理を実行できるようになります。
例えば、「鳴く」というメソッドを持つ親クラスに対して、犬なら「ワンワン」、猫なら「ニャーニャー」と鳴くように、オブジェクトごとに異なる処理を定義できるのがポリモーフィズムの特徴です。 これにより、プログラムの柔軟性が向上し、拡張しやすい設計が可能になります。
UMLの概念モデル
概念モデルはプロジェクトに関わるメンバー間で、そのドメインに関係する知識を矛盾なく共有し、以降の開発においてスムースなコミュニケーションをはかることに重きをおいています。
ユースケース(Use Case)
ユースケースとは、システムとその外部のアクターとの一連のやりとりの流れを文章で記述したものです。
- アクター
アクターは、システムと関係を持つ「オペレータ」や「他システム」を指します。 - ユースケース
ユースケースは、アクターにより起動されるシステムの機能です。 - システム境界
システム範囲(スコープ)を明確にするために用いられます。 - その他の表記
- <<include>>
ユースケースから別のユースケースの機能を呼び出す場合に用いられます。 - <<extend>>
拡張凡化関係を表現します。
- <<include>>

クラス図( Class Diagram )
クラス図は、一般に3つの区画からなります。
1段目:クラス名を入れます。
2段目:クラスの属性です(アトリビュート)
3段目:クラスの操作です(オペレーション)

クラスはそのクラス図を記しているパッケージの中のものですが、別のパッケージのクラスを示したり、全て記したい場合はパッケージ名を「::」で区切ってクラス名の前に書きます。
- 属性(アトリビュート)
オブジェクトの持っているデータを表します。
文字列や日付といった型を持っています。- 属性の前に記号をつけてその性質を表現することができます。
+:public
外部リソースからアクセス可能
#:protected
汎化関係にあるリソースからのみアクセス可能
-:private
自リソース及びネームスペース内部からのみアクセス可能
- 属性の前に記号をつけてその性質を表現することができます。
- 操作(オペレーション)
操作とは、オブジェクトの振る舞いを表すものです。
操作は1つのクラスに、複数存在することになります。

- オブジェクト
オブジェクトはクラスのインスタンスです。インスタンスであることを表すために、そのインスタンスに付けられた名前であるオブジェクト名、コロンそしてアンダーラインを使います。 - ステレオタイプ
ステレオタイプは、UMLに登場するモデル要素を分類するために使われます。クラス内での使い方は、クラス名の上に<<ステレオタイプ名>>のようにして記述します。
- boundary
- control
- entity
- exception
- interface
- actor
- 関連
クラス間の関係を多重度「下限値..上限値」を使って表すことが出来ます。
「Composite(parent)」に対して「Component(child)」の数に制限がない為「0..*」で表記されます。 - 凡化
汎化は、あるクラスを特殊化したクラスがあるとき、特殊化の元となったクラスと特殊化したクラスとの関係を表します。「矢印(白抜き)」で表します。
「Leaf」及び、「Composite」は「Component」を継承していることを表しています。 - 集約
集約は、全体と部分の関係を「◇」表します。
「Component(child)」は「Composite(parent)」の一部であることを「◇」を使って表しています。 - コンポジション
コンポジションは集約の一種で、集約関係がより強い全体部分関係にあるとき「◆」を使って表します。 - インターフェース
インタフェースは実装は持ちませんが、操作の集合を定議したものを「→(破線)」を使って表します。
シーケンス図 ( Sequence Diagram )
シーケンス図とは、ソフトウェアの設計などに用いられるUML(Unified Modeling Language)で規定された図(ダイアグラム)の一つで、要素間の相互作用を時系列で表した図を指します。


シーケンス図では、すべてのオブジェクトの振る舞いを記述することができますが、設計を進める上で必要になるものだけを選択してシーケンス図を記述することをお勧めします。
区画から伸びている点線は、ライフラインと呼ばれているものでオブジェクトが存在する期間を表します。したがって、時間は上から下へと流れることになります。
ライフライン上にある長方形は、オブジェクトが活性化していることを意味します
アクティビティ図 ( Activity Diagram )
アクティビティ図とは、ソフトウェアの設計などに用いられるUML(Unified Modeling Language)で規定された図(ダイアグラム)の一つで、業務や処理の実行手順を表した図を指します。

アクティビティ図は、シーケンス図などと同様にオブジェクトのふるまいを表現します。
アクティビティ図は、オブジェクトの振る舞いを記述する他の図とは少し異なり、従来使用されていたフローチャートにオブジェクト指向の考え方を導入したものです。
UMLのデメリット
まずは、UMLのデメリットからみていきましょう。
主なUMLのデメリット
- UMLは学習コストが高い
- UMLの主要な3バージョン
UMLは学習コストが高い
まず挙げられるUMLのデメリットとしては、「UMLは学習コストが高い」ことがあります。
UMLの学習コストが高い理由
- UMLはエンジニアが使用する作図法なのでそもそも難しい
- UMLは主なバージョンが3つあり、それぞれ理解して使う必要がある
- UMLは作図ソフトや特殊なツールを使う必要がある
UMLの主要3バージョン
UML(Unified Modeling Language)には、広く使用されている主要なバージョンが3つあります。 それぞれのバージョンで記法や仕様に違いがあり、開発プロジェクトの状況に応じて適切なバージョンを理解し、使い分ける必要があります。
1. UML 1.x(1997年~2004年)
UMLの最初のバージョンであり、オブジェクト指向モデリングの統一規格として誕生しました。 このバージョンでは、クラス図、ユースケース図、シーケンス図などの基本的なモデリング手法が導入されました。
- 主な特徴: オブジェクト指向設計の基本を確立
- 課題: モデルの一貫性が低く、記法の統一性に欠ける
- 代表バージョン: UML 1.4.2(ISO標準化済み)
2. UML 2.x(2005年~現在)
UML 1.x の問題点を解決し、より実用的な設計モデルへと進化したバージョンです。 クラス図の仕様が強化され、コンポーネント図やオブジェクト図が追加されました。
- 主な特徴: 設計の詳細化、視覚的な表現の向上
- 代表バージョン: UML 2.4.1(2011年、ISO標準化)
- 変更点: コンポーネント図・オブジェクト図の導入、クラス図の改善
3. UML 2.5 / UML 2.5.1(2015年 / 2022年)
現在最も使用されている最新バージョン。 UML 2.x の仕様を整理し、記述ルールをより明確化しました。 モデリング手法の一貫性が向上し、開発現場での利用が容易になりました。
- 主な特徴: モデリング仕様の統合と簡略化
- 代表バージョン: UML 2.5.1(2022年改訂)
- 変更点: UML 2.4.1 の複雑な要素を整理し、ルールを明確化
バージョン | 期間 | 主な特徴 | 代表バージョン |
---|---|---|---|
UML 1.x | 1997年~2004年 | 初期のオブジェクト指向モデリング | UML 1.4.2(ISO標準) |
UML 2.x | 2005年~現在 | 設計の詳細化と視覚的表現の向上 | UML 2.4.1(ISO標準) |
UML 2.5 / 2.5.1 | 2015年~現在 | 仕様の統合と簡略化 | UML 2.5.1(最新、2022年改訂) |
UMLのメリット

さて、ではUMLのメリットは何があるでしょうか。
UMLには、数多くのメリットが存在します。
UMLのメリット
- 統一的な表記であるため、メンバー間や顧客との意思疎通に向く
- ソフトの数が多く、また成熟している
- デザインパターンとの親和性が高い
- システム設計において必要とされる図表を網羅する
- 日本語の優秀な解説書が多く、自学自習に向いている
統一的な表記、メンバー間や顧客との意思疎通に向く
まずUMLの重要な利点は、「統一的な表記である」ということです。
人によっては、エンジニアという言葉を聞いて「個人のスキルを武器に、新しい物を生みだす人」というイメージをもつ方も居るでしょう。
しかし、実際にプロのエンジニアとして生きていくためには、個人としてのスキルだけでなく、コミュニケーション・スキルも大切です。
たとえばUMLを用いれば、開発を一緒にやるメンバーと情報共有をしたり、開発したシステムを納品する顧客との意見のすり合わせなどに活用できます。
UMLは統一された表記法を持つため、開発チーム内でのコミュニケーションを円滑にし、顧客との仕様確認を容易にします。
ポイント
- 開発チーム内の共通認識
- 顧客との仕様確認
- グローバル対応
ソフトの数が多く、成熟している
UMLは、2024年で27年目を迎える、長年にわたって利用され続けている標準的なモデリング言語です。 そのため、多くのソフトウェアベンダーがUMLの作図ツールを開発し、利用者に提供しています。
UML作図ツール
- Microsoft Visio
マイクロソフトが提供する作図ツールで、主にビジネス用途に適している。 UMLダイアグラムの作成が可能だが、専用ツールと比較すると制約がある。 Visio公式サイト - Astah Professional / Astah UML
日本発のUMLモデリングツールで、特に教育機関やビジネス用途での利用が多い。 クラス図やシーケンス図などのUML標準ダイアグラムをサポート。 Astah公式サイト - Eclipseのプラグイン『Papyrus UML』
Amateras UML は現在ほとんど利用されていないため、最新の「Papyrus UML」が主流。 Eclipse上で動作するオープンソースのUMLモデリングツール。 クラス図、ユースケース図、シーケンス図など、標準的なUMLダイアグラムを作成可能。 Papyrus UML公式サイト - PlantUML(テキストベースUML作図ツール)
コードを記述することでUML図を作成できるツール。 IDE(IntelliJ IDEA、Visual Studio Code、Eclipse など)と統合可能。 GitHubやConfluenceなどのドキュメントツールとも連携。 PlantUML公式サイト - ウェブブラウザで利用可能なUML作図サービス
- Lucidchart(ブラウザベースで共同編集可能)
- Draw.io(diagrams.net)(無料で利用でき、Google Driveとの統合も可能)
- Creately(ビジュアルコラボレーション機能を搭載)
これらのツールは長年のノウハウが蓄積されており、現状では機能も充実し、多くの開発現場で安定して利用されています。
デザインパターンとの親和性が高い
UMLは、ソフトウェア設計のベストプラクティスである「デザインパターン」と非常に親和性が高いという特徴があります。 デザインパターンは、システムの「内部処理をどのように構築するか」や「再利用性・拡張性を向上させるための設計手法」を、実践的なパターンにまとめたものです。
デザインパターンとは?
デザインパターンとは、長年の開発現場で蓄積された「効果的なソフトウェア設計の手法」をパターン化したものです。 特に、1994年に発表されたGoF(Gang of Four)による「デザインパターン」が有名であり、現在のソフトウェア開発においても広く利用されています。
代表的なデザインパターンとして、以下のようなものがあります。
代表的なデザインパターン
- 生成に関するパターン(Creational Patterns)
- Singletonパターン(システム内で特定のクラスのインスタンスを1つだけに制限)
- Factory Methodパターン(インスタンス生成の詳細をカプセル化し、柔軟なオブジェクト生成を実現)
- 構造に関するパターン(Structural Patterns)
- Adapterパターン(異なるインターフェースを統一するための設計)
- Decoratorパターン(オブジェクトの動作を動的に追加・変更できる)
- 振る舞いに関するパターン(Behavioral Patterns)
- Observerパターン(オブジェクトの変更を他のオブジェクトへ通知する仕組み)
- Strategyパターン(動的にアルゴリズムを切り替える設計)
UMLとデザインパターンの親和性が高い理由
UMLとデザインパターンの親和性が高いのは、どちらもオブジェクト指向プログラミング(OOP)を前提としているためです。 UMLを用いることで、デザインパターンを視覚的に表現し、チーム全体で共有しやすくなります。
- UMLのクラス図を使用すると、デザインパターンの構造が直感的に理解できる
- 例:Factory Methodパターン → クラス間の依存関係をクラス図で整理
- シーケンス図を活用すれば、デザインパターンの動作フローが可視化できる
- 例:Observerパターン → メソッド呼び出しの流れをシーケンス図で表現
また、多くのUMLモデリングツール(Astah UML, Enterprise Architect, Visual Paradigm など)では、デザインパターンのテンプレートが提供されており、設計の効率化が可能です。
エンジニアを目指すなら「UML」と「デザインパターン」をセットで学習すべき
UMLは、システム設計の標準的な手法であり、デザインパターンと組み合わせることで、より効果的な設計が可能になります。 特に、プログラムの拡張性や保守性を向上させるためには、デザインパターンの知識が不可欠です。
これからエンジニアを目指す方は、UMLと共にデザインパターンについても学習すると、実践的な設計スキルを身につけやすくなるでしょう。
システム設計において必要とされる図表を網羅する
UML(Unified Modeling Language)は、システム開発のすべてのフェーズに対応できる標準的なモデリング手法です。 具体的には、要件定義から基本設計・詳細設計、さらには実装・テストフェーズに至るまで、上流工程から下流工程の各段階を幅広くカバーする特徴を持っています。
上流工程(要件定義・概念設計)
- システムの大枠を決定し、関係者の合意を形成する段階。
- UMLのユースケース図やアクター図を活用して、システムが提供する機能とユーザーの関係を明確化できる。
中流工程(基本設計・アーキテクチャ設計)
- システムの主要な構成要素やデータの流れを定義。
- クラス図やコンポーネント図を利用して、システム全体の構造を整理。
下流工程(詳細設計・実装・テスト)
- 具体的なコードレベルの設計を行い、プログラムの実装を進める段階。
- シーケンス図、ステートマシン図、アクティビティ図を用いることで、プログラムの動作フローやオブジェクトの状態遷移を明確にできる。
UMLの主要な図と活用例
UMLの主要な図
- ユースケース図(Use Case Diagram)
- システムの機能要件を視覚化し、関係者間で共通認識を持つために使用。
- 例えば、「ECサイトの購入フロー」や「会員管理システムの認証機能」など、ユーザー視点でシステムの機能を整理できる。
- クラス図(Class Diagram)
- オブジェクト指向設計の基盤となる図であり、システムの主要なクラスや属性、メソッド、クラス間の関係を定義。
- 例えば、ECサイトの「商品」「注文」「ユーザー」などのクラスの関係を整理し、プログラムの設計を明確化できる。
- シーケンス図(Sequence Diagram)
- オブジェクト間のメッセージのやり取りを時系列で表現し、システムの振る舞いを可視化。
- 例えば、ログイン処理のフローを「ユーザー→認証システム→データベース」という流れで表現できる。
- ステートマシン図(State Machine Diagram)
- システムの各オブジェクトがどのような状態を持ち、どの条件で状態遷移するかを定義。
- 例えば、銀行のATMの状態遷移(待機→カード挿入→暗証番号入力→取引実行→カード排出→終了)を明確に整理できる。
- アクティビティ図(Activity Diagram)
- 業務プロセスや処理フローを可視化するための図。
- 例えば、「顧客がECサイトで商品を検索し、カートに追加し、決済を完了するまでの流れ」を視覚的に整理可能。
UMLは、システム開発の規模やプロジェクトの種類に応じて必要な図を組み合わせて活用できるという柔軟性を持っています。
UMLの柔軟な活用例
- 小規模開発の場合
- ユースケース図+クラス図+シーケンス図など、基本的な図だけを活用するケースが多い。
- 大規模開発の場合
- 要件定義からテストまで、すべての工程でUMLを活用し、関係者間での認識統一や品質管理を徹底。
- アジャイル開発の場合
- 設計工程を軽量化するため、必要最低限のUML図(ユースケース図・シーケンス図)を活用しながら、開発スピードを優先することも可能。
このように、UMLは「システム開発のどのフェーズでも活用できる強力なモデリング手法」として、多くの開発現場で利用されています。
日本語の解説書が多く、自学自習に向いている
UMLは「日本語の優秀な解説書」が豊富で、自学自習に向いている
最後の大きな利点として、日本語の優れた解説書や、当ブログのような専門的なサイトがUMLを詳しく解説している点が挙げられます。 これは言い換えれば、「UMLは自学自習に向いている」という、非常に大きなメリットを持っていることを意味します。
1. 日本語の優秀な解説書が豊富
UMLは、1997年に標準化されて以来、多くの書籍が出版されており、特に日本語の解説書の質が高いことで知られています。 初心者向けの入門書から、現場で役立つ実践書まで、学習レベルに応じた本が豊富に揃っています。
📚 代表的なUML関連書籍
- 「UMLモデリングの本質」(著:長瀬嘉秀)
UMLの基本概念を深く理解し、実務に適用できる知識が身につく。 - 「UMLモデリング入門」(著:平鍋健児)
UMLの各ダイアグラムの使い方を、初心者向けにわかりやすく解説。 - 「実践UML」(著:Martin Fowler)
海外の名著の日本語翻訳版で、UMLを活用した実践的なソフトウェア設計のノウハウを学べる。
これらの書籍を活用することで、体系的にUMLの基礎から応用まで学ぶことが可能です。
2. オンライン学習リソースも充実
近年では、オンラインで学べる無料・有料のUML教材も増えており、自学自習しやすい環境が整っています。
🎓 UMLを学べるオンラインリソース
- Udemy(ユーデミー)
UMLの基礎や実践的な活用方法を動画で学習できる。 - YouTube
UMLの書き方や実践例を無料で学べるチャンネルが多数存在。 - Qiita / Zenn / はてなブログ
UMLに関する最新技術や実践記事が投稿されており、開発現場のリアルなノウハウを学べる。
特に、YouTubeでは「UMLの基本」「各ダイアグラムの活用法」「実際の開発現場での使い方」などを解説した動画が多く公開されており、視覚的に学びたい人にもおすすめです。
3. UMLは「ツールを使って学習しやすい」
UMLを学ぶ際には、実際に手を動かしながら作図することで理解が深まります。 多くのUML作図ツールは無料で利用できるため、初心者でも気軽に試せる環境が整っています。
🛠 UMLを無料で学べる作図ツール
- Astah UML(日本発の定番モデリングツール)
- PlantUML(コードでUMLを描けるツール)
- Lucidchart(ブラウザベースのUML作成ツール)
- Draw.io(無料で利用でき、Google Driveと連携可能)
これらのツールを使えば、本を読むだけでなく、実際にUML図を作成しながら学習することが可能です。 また、ツールによってはデザインパターンのテンプレートが用意されており、設計の実践練習も効率的に行えます。
4. UMLは業務に直結しやすく、学習の成果を活かしやすい
UMLはシステム開発の現場で広く活用されており、学習した内容を実務で即座に活かしやすいという特徴があります。
- 開発チーム内でのコミュニケーションがスムーズになる
UMLを理解していれば、設計の意図を的確に伝えられる。 - コードを書く前の設計力が向上する
クラス図やシーケンス図を活用することで、無駄な実装を減らせる。 - システム設計の理解が深まる
ソフトウェアの全体像を把握しやすくなるため、設計ミスを未然に防ぐことができる。
このように、UMLを学ぶことは単なるスキルアップにとどまらず、開発現場での生産性向上やキャリアアップにも直結する重要な要素となります。