「プログラマーの世界が実力世界で厳しい。」
「プログラマーは常に技術進歩が求められる。」
「企業が求めているのは即戦力だ。」
プログラマーになろうと志したあなたは、こういった言葉に釘を刺されたことはありませんか?
私はあります。
当時はホテル業に従事していた私は、明確にプログラマーとは言っていませんでしたが、WEB系に進みたいことを同僚に話していました。
その時切り替えされたのがこういった言葉です。
まあ、辞められたら困るから引き止めたというのもあるでしょうけど。
しかし、プログラマーの世界もそんな修羅の国ばかりではなく、実は全くの未経験者でもゼロから研修で教育してくれる会社もあります。
もし、プログラマーになるための知識ややり方を教えてもらえるなら独学で勉強するよりずっと良いですよね?
今回は、そんなまれに見かけるプログラマー研修制度の真偽を私の経験から解説したいと思います。
会社が未経験者を研修してくれる意義
プログラマーになりたいあなた。
しかし独学では何の勉強をどのように始めたら良いか分かりません。
そんな人にとって、プログラミングを教えてもらえる制度がある会社は願ったり叶ったりでしょう。
なんせお金をもらって学校に行くようなものですから。
でもちょっと待って下さい。
本当にそんなうまい話があるでしょうか?
そんなことをして会社は何のメリットがあるのでしょうか?
こういった求人には大きな落とし穴が潜んでる可能性もあります。
しかし一方で、本当に研修でゼロから教育してもらえる会社もあるそうです。
私は知りませんが、あっても不思議ではないと思います。
特に今後は増えていくでしょう。
大きくわけてその2つのケースと会社側の意義を解説してみましょう。
(A)そんなのは嘘!とにかく人手がほしいブラック企業の罠
1つ目のケースは、研修は1日で終わり、2日目からはさっそく実戦配備される会社です。
未経験のあなたは当然1日やそこらで何かができるようになったわけもなく、ただただ責任と納期だけを言い渡されます。
先輩に聞こうにも、なんて質問すればいいのか、どこがわからないのかもわからず、忙しそうな先輩には聞くに聞けません。
また、プログラマーとして雇われたはずなのに、いつまでたっても安月給で雑用仕事ばかりやらされることも。
あるいはその両方という最悪のパターンもあるでしょう。
こういった会社には未経験者を教育しようなんて気はさらさらありません。
おそらく会社自体が自転車操業で火の車のように燃えながら走ってきたのでしょう。
会社自体がそうですから、従業員にもその価値観を押し付けてきます。
10人雇って1人でも残ればいいのです。
その会社からすれば、その人ができる人なので。
会社はそれでいいでしょうが、あなたとしてはどうでしょう?
きっとこんなはずではなかった!と後悔するこでしょう。
私の知る限り、少なくとも一昔前はこういった会社は少なくありませんでしたし、今でもあると思います。
もし未経験でプログラマーとして内定できたら、浮かれずにその会社のことを徹底的に調べてみましょう。
(B)我が社に共感して長期間働いてくれるなら、教育コストも惜しまない
一方で、こういった前向きな会社も実際にあるのです。
私の経験ではまだ見ていませんが、たしかに求人もあり、そこそこ名前も知れた企業です。
その企業でブラックな噂を聞いたことはありませんし、確証はありませんがおそらく本当だと思っています。
その理由も簡単です。
IT業界は慢性的な人手不足であり、優秀なプログラマーはすでに良い居場所を与えられているのです。
逆に転職しようとするプログラマーはプログラマー自身が問題をかかえていたりするリスクがあります。
そう考えると、コストはかかってもゼロから教育した方が確実に人材を確保できるという話です。
こうした会社は、研修後実務の現場で一人前になる3年後のプログラマーとしての活躍に対しての投資をしているのです。
したがって、一人前になったところで辞められると困りますし、そもそも辞めようと思われるような劣悪な待遇にはしていないでしょう。
その代わり採用する人についてはさまざま条件を出し、面接時には人間性やポテンシャルを吟味してくるはずです。
少し余談ですが、もう1つ理由があると推察できるのでそれもお話しましょう。
即戦力人材や、経験者を雇う方が断然コストは安いのですが、中途半端にできる人間の方がかえってめんどくさい側面はあると思います。
特に、プログラミング方法や開発工程には、その会社流のやり方があったり、自社製のフレームワークを持っていたりします。
それらを引っ掻き回されるくらいなら、何も知らない未経験者を会社のやり方に合わせて育て上げる方が、活躍してくれるのでしょう。
あなたは恩を感じるでしょうし、教え合う環境が仲間意識を作るからです。
未経験プログラマーなら断然、研修のある会社に就職したい
自明の理でしょう。
会社がコストをかけてあなたを育ててくれるのですから、こんなにオイシイ話はありませんよね?
しかし誰でもOKといえば、それは誤りです。
先に言ったように、数年先の活躍に期待して投資してくれているわけですから、数年後に30代後半や40代を過ぎてしまうような、中年層は基本的に対象外と思って間違いありません。
残念ながら。
20代前半が対象となるのが通常だと思います。
ただし30代以上に望みがないかと言えばそんなことはありません。
その代わり採用されようと思ったら、より自らのことをアピールする必要があります。
具体的には、20代なら抽象的なやる気やポテンシャルをアピールできるだけでよかったものが、30代となると具体的な実績や作品、プログラミングスクールの卒業証明や推薦状などが必要になります。
求職者と会社では研修の意味が違う
ここからはプログラマー未経験者が求人情報を見てよく勘違いする、プログラマー募集要項の「研修制度あり」の意味について解説したいと思います。
特に「未経験可」「初心者歓迎」とセットになっていたりするとやってしまいやすい勘違いです。
それは、「実践で活躍できるようになるまでゼロから育ててもらえる」というもの。
上記で説明したように、実際にそれをしてくれる会社もあるにはありますが、大半の会社はプログラミングの会社内ルールの説明を研修と言います。
「実践で活躍できるようになるまでゼロから育ててもらえる」といった心持ちで面接に望み、
「じゃあ作品とか見せて?」と言われて
「ありません。これから御社の研修でプログラミングを教えていただこうと思っています。」
と堂々切り替えして恥ずかしい思いをした人を知っています。
会社からすれば、「誰がプログラミングをゼロから教える研修をすると言ったの?」といった具合です。
このように、「研修制度あり」「未経験可」「初心者歓迎」といったものでも、基本的にある程度はプログラミングを習得していることが前提となっていることが大半です。
プログラマー研修のある会社をどうやって探すの?
「研修制度あり」「未経験可」「初心者歓迎」という条件は同じでも、一方はある程度できるのが前提、もう一方はゼロから教えてもらえる。
ならばどうやって後者のような会社にめぐり合えばよいのでしょうか?
プログラマー研修のある会社の探し方20代編
まず20代向けに説明します。
プログラミング未経験者で会社が行う研修をプログラミング勉強のあてにしているのであれば、基本的にはダメでもともとということで、とにかく数をこなしましょう。
片っ端から面接に行って下さい。
10箇所20箇所の面接で採用になるならラッキーな方だと思いますが、ひとまずは採用されるしかありません。
面接の際には自らのポテンシャルをアピールする一方で素直さが伝わるようにしましょう。
便達者やひねくれ者なイメージがあると、この人を教育しようと思われにくいです。
学校でもヤンチャな不良や喋ってばかりの子は先生から煙たがられてましたよね?
今回は先生に気に入られる子を演じて下さい。
研修制度のある会社を探すには、IT系の求人転職サイトやハローワークなどの求人サービスを活用します。
しかし、ここまで述べたように、”思っている研修制度”かどうかはわかりませんので、面接で確認する他ありません。
その上で採用されたら、ブラック企業の可能性を注意深く疑います。
「会社名 評判」「会社名 2ch」などで調べて、何か過去に話題になったことがないか調べてみましょう。
また、フェイスブックで社長や社員の実名を検索することも有効です。
こちらの場合、悪い情報が出て来る可能性は低いですが、人となりや交友関係がわかります。
個人的経験ですが、従業員側が積極的に仕事のことを発信しているところはだいたい良い会社だと思われます。
悪い情報と良い情報は多角的に取得して、結論を出すようにしましょう。
プログラマー研修のある会社の探し方30代編
概ね20代と同じなのですが、30代になりますと、会社の選考基準が20代よりシビアになってしまいます。
30代での異業種転職をしてまでプログラマーになりたい動機は何なのか?
これは非常に重要といえます。
「プログラマーになりたい」だけでは絶対に足りません。
むしろ、そうやって職を転々としてきた人だという印章にも繋がりかねず、マイナスになる可能性すらあります。
また、やる気やポテンシャルは具体的なものをもって証明する必要があります。
具体的なものとは、いずれのものにせよプログラミングをした成果になってくるでしょう。
となると、もはやプログラミングスキルゼロではなくなっていますよね?
作品を作ったなら作っただけの、スクールに通ったならそれ相応の知識や技術が身についています。
(そう考えるとこれ以上研修や練習に固執する意味もないような気がしますね。)
20代にせよ30代にせよ、会社側がお金をかけて育てようと思うからには、合理的な理由以外に人間的相性のマッチングがあります。
社長や上司、教育担当者が育てやすい、「我が社ならこの人を育てて伸ばせる」と思うこと、社風と合ってる、気が合う、話が面白いなどです。
実際、成績優秀な某エリート大卒の新人とプログラミング未経験だけど前もって交友関係のある高卒だったら、私なら後者の方が育てやすいと思います。
こうなると根気よく探すことに加え、行動力や運の要素が求められます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
プログラマー未経験者が研修制度のある会社でプログラミングを習得する、という道筋がイメージつきましたでしょうか?
甘い言葉に釣られれば、ときに痛い目にあい、稀に本当に甘いものにありつけ、大半の場合は何の成果も得られないと思います。
私としては、プログラミングは特殊な機材や環境がなくとも、家にPCとネット環境さえあれば十分勉強可能なので、「自分で勉強すればいいじゃん」と思ってしまいますが、やはりどうしても自分で進んで勉強はできない、やり方がわからない、という人もいるでしょう。
そうした方には、ゼロから育ててくれる研修制度はとても貴重でとても大切だと思います。
しつこいようですが、そんな会社はたくさんはありません。
非常にレアです。
やっとの思いで探して、しかも運良く採用される可能性は1桁でしょう。
どうしても自分で勉強できない方でそれでもプログラマーになりたいと思うならば、頑張って探してくださいとしかいえませんが、自分で勉強できるなら、そういった数%の確率に賭けるなら、地道な勉強で確実に成長を遂げた方が前向きなような気がします。
プログラミング研修制度を目的にして、何十回も面接で落ちてしまう時間があれば、十分勉強可能ですから。
とはいえ、私もIT業界のプログラマーの端くれとして、このような考え方ではいつまでたっても人が足りないままという意見もあります。
そのため、現時点ではレアな新人教育研修制度は、今後は増加傾向で推移していくと予想しています。
IT業界はまだまだ発展途上で進化を遂げていますが、日本では少子化もありさらに人手不足になるでしょう。
コストをかけて人を育てることが当たり前になるには、時間がかかりそうですが、そうなっていかないと世界に追いつけません。
プログラミングが義務教育に組み込まれる、研修制度が当たり前になる、将来的にはそんな社会になるかもしれません。