前回までに下記の記事で、VmWare PlayerへLinuxを導入を進めてきました。現状ではLinux OSがインストールされているだけの状態であり、今後いろいろなモジュールを追加してサーバー機能を動作させるためには不足な設定箇所が多々あります。
この記事では、LinuxOS導入後の環境準備を行っていきます。
Linux OS導入後の設定!
問題なくサーバーの構築が完了していれば、下記のサーバーが構築されているはずです。
本環境のマシン構成
- Webサーバー
- wb01
- APサーバー
- ap01、ap02
- DBサーバー
- db01、db02
この記事の環境設定では、サーバー毎の個別設定ではなく、全サーバーに共通な「スクリプト実行環境」や「yum環境」等の設定を行います。
環境設定の簡単な流れ
簡単な流れ
- スクリプト格納ディレクトリの作成
- firewalldサービスの停止
- yumリポジトリの設定
- 「/etc/hosts」の設定
1.スクリプト格納ディレクトリ
まずは必要モジュールを導入するための前準備から行います。今後、作成するであろうスクリプトの環境を先に作成しておきます。
シェル格納ディレクトリについて
当サイト「Beエンジニア」では、「/root/scripts」配下を「スクリプト格納ディレクトリ」として説明していきます。
※ 本記事では、学習目的の為「root」以外でシェルの実行は行わない想定です。
本記事でのスクリプト配置構成は下記とします。
スクリプト配置構成
- root
- scripts
- bin(実行スクリプト格納場所)
- com(共通スクリプト格納場所)
- etc(設定ファイル等の格納場所)
- log(スクリプト実行ログの格納場所)
- rep(出力レポート等の格納場所)
- tmp(テンポラリファイル格納場所)
- scripts
① スクリプト格納ディレクトリ作成
下記のコマンドを実行して「/root/scripts」配下へ格納ディレクトリを作成します。
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# mkdir -p /root/scripts # mkdir -p /root/scripts/bin # mkdir -p /root/scripts/com # mkdir -p /root/scripts/etc # mkdir -p /root/scripts/log # mkdir -p /root/scripts/tmp # mkdir -p /root/scripts/rep |
② スクリプト格納ディレクトリの確認
次のコマンドで、スクリプト格納ディレクトリの作成有無を確認します。
# ls -l /root/scripts
2.firewalldサービスの停止
OSインストール直後は「firewalld」サービスが自動で起動しています。
実際に商用利用などのプロジェクトでもない限り、設定の邪魔になるので「firewalld」サービスは停止しておきます。
注意ポイント
本環境はサーバー構築の学習を目的としている為「firewall」サービスを停止しています。実際の商用プロジェクトでは、必要な経路やプロトコルを厳密に設計して「firewalld」サービスを設定してください!
下記の手順で「firewalld」サービスを停止します。
簡単な流れ
- firewalldの状態確認
- firewalldの停止実行
- firewalldの自動起動無効化
① firewalldの状態確認
「firewalld」の状態を確認します。
次のコマンドで「firewalld」サービスの状態を確認します。
# systemctl status firewalld
このままだと、後で「httpd」サービスを導入しても「firewalld」サービスが外部との疎通を遮断してしまいます。
② firewalldの停止実行
次のコマンドで「firewalld」サービスを停止します。
# systemctl stop firewalld
上記の結果イメージは、「firewalld」サービスを停止した後、状態確認を行った結果も表示しています。
「firewalld」サービスは停止しましたが、このままでは再起動後に再度「firewalld」サービスが起動してしまいます。
③ firewalldの自動起動無効化
次のコマンドで「firewalld」サービスの自動起動を無効化します。
# systemctl disable firewalld
これで、再起動後に自動で「firewalld」サービスが起動することはありません。
3.yumリポジトリの設定
モジュール等を追加するたびに、メディア(CD/DVD)をマウントするのは非常にめんどくさい為、ここではISOメディアを「/media」へマウントしてyumを実行できるように設定を行います。
下記の手順でyumリポジトリ作成の操作を行っていきます。
簡単な流れ
- OS導入時に使用したISOメディアの格納
- ISOメディア「/media」のマウント
- yum設定シェル(add_yum.sh)格納
- yum設定シェル(add_yum.sh)実行
本記事では、yum設定シェル( add_yum.sh )を使用して、yumのリポジトリを作成します。
「add_yum.sh」の詳細については、下記のリンクを参照してください。
① OS導入時に使用したISOメディア格納
OS導入時に使用したISOメディアをwb01サーバーの「/root」直下へ転送する。
※ 本記事では「rhel-server-7.5-x86_64-dvd.iso」を使用しています。
② ISOメディア「/media」のマウント
isoメディアをマウントするコマンドは:「mount -o loop -t iso9660 xxx.iso /media」です。
※ 「/root」直下で実行します。
# mount -o loop -t iso9660 rhel-server-7.5-x86_64-dvd.iso /media
③ yum設定シェル(add_yum.sh)格納
上記の「add_yum.sh」を「/root/scripts/bin」配下へ格納します。
※ viで直接「add_yum.sh」を「/root/scripts/bin」配下へ作成でも可。
④ yum設定シェル(add_yum.sh)実行
次のコマンドで「add_yum.sh」シェルを実行します。
※ 「/root/scripts/bin/」配下で実行します。
# sh add_yum.sh
これで「/etc/yum.repos.d/」配下へリポジトリが作成されました。
4.「/etc/hosts」の設定
ホスト名で各サーバーを識別するために「/etc/hosts」へ各サーバーのIPアドレスを登録していきます。
# cat << EOF >> /etc/hosts
192.168.109.150 wb01
192.168.109.151 ap01
192.168.109.152 ap02
192.168.109.153 db01
192.168.109.154 db02
EOF
※ 環境に合わせて実行してください。
現時点では、下記の4点について設定を行っていますが、今後必要に応じて都度追加していく予定です。
設定項目
- OS導入時に使用したISOメディアの格納
- ISOメディア「/media」のマウント
- yum設定シェル(add_yum.sh)格納
- yum設定シェル(add_yum.sh)実行