
近年、「ブラック企業」の存在が社会問題になっています。
ブラック企業の定義は曖昧で、厚生労働省も明確に定義していませんが、以下の特徴があります。
- 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
- 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
一般的に、IT業界はブラック企業が多いとイメージされています。
そのため、異業種からプログラマーに転職を考える人はその点を不安に感じている人がいるのではないかと思います。
この記事では、ブラック企業の被害に遭わないために、ブラック企業を見分けるポイントを紹介していきます。
「未経験者歓迎」の求人はブラック企業か

しかし、応募しようとしている求人は、実はブラック企業の求人ではないか、と考えてしまって応募に踏み切れません。
実際のところ、未経験OKの求人は信用して良いものなのでしょうか?

「未経験者歓迎」はブラック企業の可能性アリ
未経験OKの求人はブラック企業の可能性が比較的高いといえます。
その理由としては、未経験を理由に安い賃金で採用し、劣悪な労働条件で働かせ、それがこの業界では普通なのだと思い込ませることができるためです。
ブラック企業ではない求人も多い
もちろん、ブラック企業でない求人もたくさんあります。
IT業界は深刻な人材不足です。
そのため、各企業は未経験者でも積極的に採用し、自社の教育制度で一人前のエンジニアに育て上げようとすることも多くあります。
IT業界の求人を確認する際は、ブラック企業とそうでない企業をしっかりと見極める力が非常に重要になってきます。
ブラック企業を見分ける8つのポイント



それらの企業に共通する点を紹介したいと思います。
1. 平均年齢が低い
社員平均年齢が20代や30代前半の企業には注意が必要です。
平均年齢が低いということは、過重労働や賃金の低さなどの理由で、社員が定着しない企業である可能性が高いといえます。
ブラック企業の経営陣は「とにかく安く人を雇い、たくさん働かせたい」と考えます。
私の知るIT企業は、残業が多く、昇給や賞与が少ないため、自分の将来を現実的に考えるようになる20代後半で離職者が続出する状況でした。
2. 「体力勝負」を強調する
体力勝負を強調する企業は、残業が日常化しているにも関わらず、それを改善しようとしない状況にあると考えられます。
若いうちは残業代が稼げて良いと思えるかもしれません。
しかし、年齢を重ねれば、体力的な負担に加えて「責任」という重荷も背負っていかなければなりません。
適度な休息がなければ、体力的にも精神的にも追いつめられてしまう可能性があります。
納期前は多忙になることはありますが、本来、プログラマーは体力勝負の職業ではありません。
残業が日常化している企業は、定年まで働き続けることが難しいため、転職すべきではないと考えます。
3. 少数精鋭を強調する
大きな実績がない企業で、ホームページに「少数精鋭」など、少人数の良さを強調する企業にも注意が必要です。
そういった企業は、現状に満足し事業を拡大する気がない企業である可能性があります。
企業経営において、「停滞は衰退」といわれています。
事業拡大に消極的な企業は、避けるべきです。
また、少人数だと一人に与えられる仕事の量が多いため、結果的に長時間の労働を強いられるケースが多くなります。
また、待遇の面でも、事業規模の大きい企業の方が平均給与は多い傾向ですので、なるべく従業員数が多く、規模の大きい企業を選びましょう。
4. 女性の採用に消極的
企業の男女比率にも注目しましょう。
ブラック企業の場合、長時間労働に耐える体力を持つ男性を採用したがります。
IT業界の男女比率の平均は20~30%といわれています。
男女比率がこれよりも極端に男性寄りの企業は注意すべきです。
5. 社員からの悪い口コミが多い
企業の口コミサイトを確認することで、求人票やホームページから知ることのできない、内情を知ることができます。
悪い口コミが極端に多い企業は問題のある企業かもしれません。
応募する前に企業の口コミサイトを一度確認すると良いでしょう。
また、口コミで投稿された内容と求人票の内容に大きな違いがないか確認し、求人票の虚偽を見抜くこともできます。
企業クチコミサイトは下記の2つが有名です。
6. 福利厚生が乏しい
下記のうちいずれかが当てはまれば、ブラック企業であると判断してください。
- 国民健康保険への加入が必要
- 国民年金への加入が必要
その他にも、通勤手当や家族手当など、ついていて当たり前と思われる福利厚生がない場合も注意が必要です。
併せて、年間休日日数と有給休暇の消化率にも注目しましょう。
プログラマーは精神的ストレスのたまりやすい職種ですので、充分な休息を取れているか確認しておいた方が良いでしょう。
7. 常に募集している
常に求人を出している企業は、魅力がなく募集を出しても人が集まらない、もしくは、離職率が高く慢性的な人材不足の企業です。
そういった企業はブラック企業の可能性を疑いましょう。
8. 求人票と雇用条件が異なる
求人票の記載と、採用後に渡される労働条件の通知内容が異なる場合があります。
自身が求人票からイメージしていた労働条件と異なる、曖昧な表現がある、そもそも労働条件が通知されない場合はブラック企業であると疑うべきです。
転職に失敗しないためには?


でも、やっぱり不安を感じてしまいます。

不安を拭いきれないのは当然です。
そういうときは、転職のプロに相談するのも良いでしょう。
プログラミングスクールの転職支援を活用する
一つ目の手段はプログラミングスクールを利用することです。
最近のプログラミングスクールは、転職支援も充実しており、「 」のような返金保証で転職を保障してくれるサービスもあります。
プログラミングスクールからブラック企業に就職を斡旋されたとなれば、プログラミングスクールの信用問題になります。
そうならないために、プログラミングスクールはより良い企業への就職を斡旋しようとします。
プログラミングスクールから紹介された企業は、問題ないと考えていいでしょう。
転職エージェントを活用する
もう一つの手段は、転職エージェントを活用することです。
転職エージェントの担当者は企業へ普段から訪問し、求人票やホームページからはわからない企業の内情を知っています。

最近では「 」のような転職エージェントもあります。
転職エージェントの意見を取り入れ、ブラック企業へ行き当たらないようにしましょう。
まとめ

プログラマーは大変ですが、とてもやりがいのある仕事です。
今回紹介したポイントに注意すれば、ブラック企業に行き当たる確率はぐっとさがります。
ブラック企業の被害にあわず、充実したエンジニア生活を送れるように、問題のある企業でないか、しっかりと見極めましょう。