STEP 4: IT技術の知識

【IT入門】クライアントサイドとサーバーサイドの違いとは?

IT入門シリーズ

🟢 STEP 1: ITの基礎を知る(ITとは何か?)
 📌 最初に学ぶべき基本知識を解説。ITの概念、ネットワーク、OS、クラウドの仕組みを学ぶ。

🟡 STEP 2: PCの基本を知る(パソコンを扱えるようにする)
 📌 パソコンの基本操作を学び、Windows・Macの使い方や選び方を解説。

🔵 STEP 3: プログラミングの概念を理解する
 📌 プログラムの仕組みやプログラミング言語の基礎を学ぶ。

🟣 STEP 4: IT技術の応用を学ぶ
📌 システム開発、データベース、セキュリティなど、実践的なIT技術を習得する。
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🔴 STEP 5: IT業界とキャリアを考える
 📌 IT業界の職種、エンジニアの働き方、キャリアパスについて学ぶ。

Web開発において、「クライアントサイド」と「サーバーサイド」という言葉は頻繁に登場します。どちらもWebアプリケーションを構成する重要な要素ですが、それぞれの役割や動作の仕組みには明確な違いがあります。

クライアントサイドは、ユーザーのデバイス上(PC・スマホ・タブレット)で実行される処理を指し、主にWebブラウザ上で動作します。一方、サーバーサイドは、ユーザーからのリクエストを受け取り、データ処理や認証を行い、適切なレスポンスを返す仕組みです。

本記事では、クライアントサイドとサーバーサイドの違いや、それぞれのメリット・デメリット、最新のWeb開発アーキテクチャまで詳しく解説します。

クライアントサイドとサーバーサイドとは?

近年、Web技術の進化により、クライアントサイドとサーバーサイドの役割がより明確になりつつあります。クライアントサイドは、ユーザーが直接操作するデバイス上で実行される処理を指し、サーバーサイドはそのリクエストを処理するサーバー上で動作するプログラムを指します。

この2つの概念は、Web開発において非常に重要であり、それぞれの役割を正しく理解することで、より効率的なシステム設計が可能となります。

クライアントサイドとは?

クライアントサイドとは、ユーザーのデバイス上(PC、スマホ、タブレットなど)で実行される処理のことを指します。主にWebブラウザ上で動作し、次のような処理を担当します。

  • HTML・CSSのレンダリング
  • JavaScriptを用いた動的な動作
  • ユーザーインターフェース(UI)の操作
  • ローカルストレージの管理(CookiesやLocalStorage)
  • サーバーへのリクエストの送信(API通信)

代表的なクライアントサイドの技術: HTML、CSS、JavaScript(React、Vue.js、Angularなど)

サーバーサイドとは?

サーバーサイドとは、ユーザーからのリクエストを処理し、必要なデータを返すバックエンドの処理を指します。サーバー側では以下のような処理を行います。

  • データベースの管理とデータ取得
  • 認証・認可処理
  • ビジネスロジックの実行
  • APIの提供
  • セキュリティ対策(暗号化、アクセス制御など)

代表的なサーバーサイドの技術: PHP、Python、Ruby、Node.js、Java、Go、MySQL、PostgreSQL、MongoDB

クライアントサイドとサーバーサイドの違い

項目クライアントサイドサーバーサイド
実行環境ユーザーのデバイス(ブラウザ)サーバー(クラウド、データセンター)
処理の種類UI操作、デザイン、ユーザー入力データ処理、認証、API
使用技術HTML、CSS、JavaScriptPHP、Java、Python、Node.js
パフォーマンスサーバー負荷を軽減できるが、処理速度はデバイス依存高性能な処理が可能だが、負荷が集中しやすい
セキュリティXSS(クロスサイトスクリプティング)対策が必要SQLインジェクションや不正アクセス対策が必要

クライアントサイドとサーバーサイドの連携

クライアントサイドとサーバーサイドは、API(Application Programming Interface)を介して通信します。近年では、REST APIやGraphQLを利用したデータのやり取りが主流となっています。

  • REST API: エンドポイントを通じてJSONデータをやり取り
  • GraphQL: 必要なデータのみを取得できる柔軟なAPI

例えば、ECサイトで「商品一覧を表示する」場合:

  1. クライアントサイドが「商品一覧を取得するリクエスト」を送信
  2. サーバーサイドがデータベースから情報を取得
  3. サーバーがJSONデータをクライアントへ送信
  4. クライアントサイドが受け取ったデータをHTMLに反映

クライアントサイドとサーバーサイドの選択基準

システム設計をする際、どの処理をクライアントサイドで行い、どの処理をサーバーサイドで行うかを決定する必要があります。一般的な基準は以下のとおりです。

クライアントサイドで処理するべきケース

  • ユーザー体験(UX)を向上させたい
  • 処理を軽くしてサーバー負荷を減らしたい
  • オフラインでも一部機能を提供したい

サーバーサイドで処理するべきケース

  • セキュリティが重要な処理(認証、決済など)
  • 大量のデータを扱う処理
  • ビジネスロジックが複雑な処理

3層システム(Three-Tier Architecture)は今も使われるのか?

Webアプリやシステムを作るとき、「クライアントサイド」と「サーバーサイド」だけでなく、「3層システム」という考え方が昔から使われています。

3層システムとは、システムを「見た目の部分(UI)」「データ処理の部分」「データを保存する部分」の3つに分ける設計方法のことです。

3層システム(Three-Tier Architecture)の基本

これをわかりやすく言うと、次のような役割分担になっています。

役割具体例
プレゼンテーション層(UI層)ユーザーが見る画面や操作する部分Webサイトのボタン、メニュー、フォーム(HTML, CSS, JavaScript)
アプリケーション層(ロジック層)リクエストを受け取って処理を行う部分ログイン認証、計算処理、データの取得(PHP, Java, Python, Node.js)
データ層(DB層)データを保存・管理する部分ユーザー情報、注文履歴(MySQL, PostgreSQL, MongoDB)

この3層モデルは、企業向けのシステムやWebサービスでよく使われており、今も基本的な考え方として残っています。

なぜ3層システムだけでは説明が不十分になったのか?

しかし、最近のWeb開発では、3層システムだけでは説明しきれないケースが増えてきました。その理由を見ていきましょう。

1. フロントエンドとバックエンドの分離

昔は、Webページの見た目(HTML)も、データ処理(PHPなど)も、サーバーでまとめて作っていました。

しかし今は、ReactやVue.jsなどの技術が登場し、見た目の部分(クライアントサイド)が独立して動くようになりました。

これにより、3層モデルの「プレゼンテーション層=サーバー側」という考え方が当てはまらなくなっています。

2. マイクロサービスの登場

昔は、1つの大きなサーバーが「アプリケーション層」としてすべての処理を担当していました。

しかし今は、ログイン、決済、在庫管理などを別々のサーバーで動作させる「マイクロサービス」という設計が増えています。

これにより、「アプリケーション層が1つだけ」とは言えなくなっています。

3. APIの進化とクラウドサービスの利用

最近では、自分でサーバーを持たなくても、クラウドのAPIを使ってWebサービスを作れるようになりました。

例えば、次のような技術を使えば、サーバーを管理せずにサービスを動かせます。

  • Firebase(BaaS:バックエンド不要で使えるサービス)
  • AWS Lambda(サーバーレス技術)
  • GraphQL API(必要なデータだけ取得できる仕組み)

このような技術の発展により、「3層システムだけでWeb開発を説明するのは難しくなってきた」のです。

現在のWeb開発におけるアーキテクチャとは?

3層システムの考え方は今も重要ですが、最新のWeb開発では、より柔軟なアーキテクチャが使われています。

最新のWebアプリケーションモデル

モデル具体例特徴
クラシック3層モデル企業の業務システムサーバー側でHTMLを生成し、ページを表示
SPA + API(フロントエンド分離)React/Vue + REST APIフロントエンドが独立し、APIでサーバーと連携
マイクロサービス構成AWS Lambda + API Gateway複数のサービスがAPIで連携し、柔軟に拡張可能
サーバーレス + BaaSFirebase, Supabaseバックエンドを持たず、クラウドサービスで完結

クライアントサーバシステムは今も使われているのか?

バックエンド

「クライアントサーバシステム」という言葉を聞いたことはありますか? これは、「クライアント(ユーザーのPCやスマホ)」と「サーバー(データを管理するコンピューター)」がやり取りをするシステムの仕組みです。

例えば、あなたがWebサイトを開いたとき、ブラウザ(クライアント)が「このページを見せて!」とリクエストを送り、それに応じてサーバーがデータを返してくれます。このような形で、クライアントサーバシステムは動いています。

クライアントサーバシステムの基本

クライアントサーバシステムは、大きく以下のように分けられます。

役割クライアント(ユーザー側)サーバー(システム側)
処理内容画面の表示、ボタンの操作データの保存・検索・処理
実行場所パソコン、スマホ、タブレットクラウドサーバー、データセンター
具体例Webブラウザ、アプリWebサーバー、データベース

この仕組みは、メールの送受信、銀行のオンラインサービス、ECサイト など、私たちが普段使う多くのシステムで活用されています。

クライアントサーバシステムは今も使われているの?

結論から言うと、クライアントサーバシステムは今も多くの場面で使われています。ただし、近年では「クラウド」や「API」「マイクロサービス」など、新しい仕組みが登場し、より柔軟なシステム設計ができるようになっています。

1. 企業の業務システムでは今も主流

企業の社内システムでは、クライアントサーバ型のシステムが今でもよく使われています。

  • ファイルサーバー(社内のデータを保存するシステム)
  • メールサーバー(Gmailなどのメールシステム)
  • 業務アプリケーション(銀行のシステム、病院の診療システム)

こうしたシステムは、クライアントサーバモデルを基盤として動いており、今も重要な技術です。

2. Webシステムでは「API」や「クラウド」が主流に

昔は、「クライアント(ブラウザ)↔ サーバー(Webシステム)」という単純な構造が主流でした。しかし、今ではより柔軟な仕組みが登場しています。

  • フロントエンド(React, Vue.js) + APIサーバー(Node.js, Python) の組み合わせ
  • クラウド上のデータベース(Firebase, Supabase)を利用
  • 機能ごとに分けた「マイクロサービス」

特にWeb開発では、「クライアントサーバ」よりも「APIを介してデータをやり取りする仕組み」 が主流になっています。

3. クラウド技術の発展で「サーバー」の概念が変化

以前は、自社で物理サーバーを持ち、それを管理するのが一般的でした。しかし、今ではAWS、Google Cloud、Azureなどのクラウドサービス を使えば、物理サーバーを持たなくてもシステムを運用できます。

また、「サーバーレス」という考え方 も登場し、以下のような技術で開発されるケースも増えています。

  • AWS Lambda(プログラムを自動実行できる仕組み)
  • Firebase(バックエンドの機能をクラウドで提供)
  • GraphQL API(必要なデータだけ取得する仕組み)

このように、サーバーのあり方が変わってきたことで、クライアントサーバシステムは「クラウドを活用した進化した形」で使われることが増えています。

まとめ

  • クライアントサイドは「画面や操作」、サーバーサイドは「データの管理と処理」を担当
  • 3層システムは今も使われるが、より柔軟なシステム設計が主流になっている
  • クライアントサーバシステムも現役だが、クラウドやAPIの活用が進んでいる

Webシステムの基本を理解し、最新の開発トレンドも押さえておくことで、より実践的な知識が身につくでしょう。

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