プログラマーに転職を考える人で、転職後の年収はどうなるのかと、疑問や不安に感じている方も多いのではないかと思います。
そのような疑問を解消するため、プログラマーの平均年収と、年収を上げるにはどうすればよいか、紹介したいと思います。
プログラマーの平均年収は?
実際のところ、どうなのでしょうか?
ただし、年齢、扱えるプログラミング言語、企業の規模などの条件で年収は変わってきます。
未経験者の年収は?
未経験者でプログラマーに転職した場合、初年度の年収は250万~350万程度になると予想します。
若干少ない、と感じる人も多いかもしれませんが、企業側は、実績もなく入社して数年は売上への貢献も期待しません。
また、入社後の成長度合いも未知数であるため、始めから高い年収で採用される可能性は極めて低いと考えられます。
入社して数年間は修行期間と割り切り、年収を上げる交渉材料になる実績と経験、技術を身につけましょう。
企業の規模による年収の違い
一般的に規模の大きい企業の方が年収は高い傾向にあります。
プログラマーの場合も例外ではなく、厚生労働省がまとめる、賃金構造基本統計調査によると、
- 従業員が100名以下の企業で391万円
- 100名~999名の企業で415万円
- 1000名以上の企業で498万円
という結果でした。
億単位の大型公共事業を請け負うような大企業は、プログラマーの年収も必然的に高くなります。
一方、小規模の企業の場合は、大企業が請けた案件の下請けや孫請け、労働者派遣で売り上げを確保するため、大企業と比べ年収は低くなる傾向です。
転職先を検討する際は、規模の大きい企業を選ぶことで高収入に繋がりやすくなります。
年齢による年収の違い
プログラマーの場合は、年齢を重ねるごとに平均年収は上がる傾向にあります。
賃金構造基本統計調査によると、
- 入社して間もない23歳で314万円
- 収入のピークである57歳で574万円
という結果でした。
プログラマーは35歳が定年であるという噂がありますが、そのようなことは全くありません。
実際の開発現場でも、60歳過ぎて現役のプログラマーの方が活躍しています。
プログラマーは年齢を重ねるごとに収入が高くなる傾向であるため、長く勤める価値のある職種であるといえます。
プログラミング言語による年収の違い
扱えるプログラミング言語でも年収は変わります。
ビズリーチが発表した求人検索エンジン【スタンバイ】の「プログラミング言語別 平均年収」によると、上位のプログラミング言語と年収は次のようになっていました。
【1位】Scala 626万円
2003年に登場した開発言語です。
世界中で3億人以上のユーザー数を抱える、日本でもおなじみのTwitterでも採用されているプログラミング言語です。
【2位】Python 601万円
人工知能(AI)などの分野で使われるプログラミング言語です。
近年、AIは技術の進化が著しいため、今後も高い需要が見込まれます。
【3位】Kotlin 577万円
2017年にAndroidの開発言語として使用されることが発表され、話題になりました。
【4位】Swift 562万円
2014年に登場したプログラミング言語で、アップル社のiOSで利用できることで、注目されています。
【5位】Ruby 562万円
まつもとゆきひろ氏により開発されたプログラミング言語です。
日本で開発されたプログラミング言語として、初めて国際規格に認証されました。
これらのプログラミング言語は、多くの企業で使用されていますが、扱えるエンジニアが少ないため、高収入につながりやすいようです。
年収をアップさせるには?
では、プログラマーとして採用された後に収入を上げるにはどうすればいいのでしょうか?
実例を交えていくつか紹介します。
1. 資格を取得する
企業によっては、資格を取得すると毎月の給与に資格手当をつけるところもあります。
具体的な例でいうと、経済産業省が認定する「基本情報技術者試験」に合格すると毎月の給与に資格手当が毎月5000円つく企業がありました。
また、資格手当まではつかなくても、努力して取得した資格は給与査定で有利に働くことは間違いないでしょう。
2. 新しい技術を身につける
プログラマーの場合、扱える言語が多ければ、給与査定でも好印象を与えることができます。
先に紹介したプログラミング言語は技術者の数も少ないため収入アップに貢献しやすいです。
ただし、企業の方向性と異なる技術を習得しても意味がありませんので、勉強を始める前に、「企業に利益を与えることができるか」考えるようにしましょう。
人口知能や機械学習というキーワードは、IT業界で働く人にとっては馴染みが深くなりつつあります。
これらを駆使するAIエンジニアには高いスキルが要求され、日本だけでなく世界的に見ても不足している状況です
3. マネジメント能力を身につける
プロジェクトのメンバーをまとめ、プロジェクトをスムーズに進める、「プロジェクトマネージャー」として活躍できるようになれば収入は大幅にアップします。
プロジェクトマネージャーは、プログラマーやシステムエンジニアの上位職と位置づけられ、顧客と交渉する能力やプロジェクトチーム内のコミュニケーションなど、プログラミングの技術と関係のない能力も必要です。
DODAの調べによると、プロジェクトマネージャーの平均年収は670万円となっています。
プログラマーの平均年収と比較すると、200万円以上の差があることがわかります。
高い収入を求めるのであれば、プログラマーで経験を積んで、数年後にシステムエンジニア、将来的にプロジェクトマネージャーを目指すキャリアプランもいいと思います。
4. 思い切って転職する
プログラマーは転職で年収が上がりやすい職種といわれています。
収入アップとキャリアアップを目的に転職し、それまでに取得した資格が評価され、年収が100万円以上上がった例もあります。
努力して技術を習得し経験を積んでも、給与に反映されそうになければ思い切って転職するのも一つの手段です。
5. フリーランスに転向する
数年間会社勤めをして、技術と人脈を作り、フリーランスに転向するのも年収アップの一つの方法です。
フリーランスとは、企業に属さず個人で仕事を請け負う働き方です。
フリーランスプログラマーの年収は600万円~700万円となっており、実力次第で年収1000万円以上も可能です。
仕事を継続して受注しないと無収入になるというリスクはありますが、その分、成功したときの収入は企業に属するプログラマーの平均年収より高くなります。
まとめ
プログラマーの平均年収と、収入の格差、年収を上げるためのポイントを紹介しました。
未経験者の場合、始めのうちは低めの年収からスタートすることになりますが、技術を習得することで、他のプログラマーに劣ることない年収を得ることができます。
また、プログラマーの場合、転職やフリーランス転向などの手段で収入を上げやすい職種です。
プログラマーへの未経験からの転職について、収入面に関しては、「やる気さえあれば特に問題ない」と私は考えています。