フリーランス の 手帳術

【フリーランスの手帳術】価値観と目標の描き方

フリーランスとして成果を出し続けるためには、「自分は何を大切にし、どこを目指しているのか」を明確にしておくことが欠かせません。この記事では、フリーランスの基盤となる価値観の明確化と、目標設定の方法を具体的に解説します。

価値観と目標設定の重要性

フリーランスとして成果を出し続けるには、「自分が何を大切にしているのか」「どこを目指すのか」を明確にする必要があります。価値観と目標が定まっていなければ、行き当たりばったりの行動になり、継続的な成長は望めません。

キャリアプランを考える上で、あなたが満足な人生を謳歌したいと思うのであれば、まず「あなたの満足とは何か?」という問いに答えられる必要があります。それには将来自分がどんな人間でありたいのか、ある程度まで導き出す必要があります。

そしてそうなるための目標を設定しなければ、一生自分に満足することは出来ません。何故なら、目標なくしては満足度を図る物差しが無いからです。何が満足しているのか判断ができないのです。ところが目標の達成以前に目標自体を設定していない人が実に多いのです。

価値観がブレないと行動が定まる

価値観とは、自分が大切にしたいと感じる考え方や行動の指針です。これが明確であれば、選択に迷ったときも「自分にとって正しいかどうか」で判断できるようになります。たとえば、自由を重視する人は時間に縛られない働き方を選び、安定を重視する人は継続的な収入源の確保を優先します。

目標は「行き先」を示すもの

目標は、現在地から理想の未来までの「道のり」を明確にするものです。フリーランスは自由であるがゆえに、目標がなければどこに向かっているのか分からなくなることもあります。逆に、具体的な目標があることで、日々のタスクに優先順位をつけやすくなり、達成感を得やすくなります。

価値観の創出

ではどうすれば目標を設定することが出来るのか

それにはまず価値観の創出から始めなければなりません。価値観とは自身の運転する車が誤って車道側面の歩道を乗り越えないように遮断するガイドレールのようなものと考えて下さい。

例えば、目標を年収2000万円と設定した場合、銀行に押し入ってお金を強奪すれば、一見その目標が叶ったように見えますが、法的に禁止された行為であり目標を達成したとしても、それは満足感にはつながりません。

何故ならそれは、すべての国民が等しく共有する「犯罪行為」だからです。よほどの極悪人出ない限りこの「犯罪」に価値観を置く者はいないでしょう。

一例として、下記に アメリカ合衆国建国の父と歌われたベンジャミン・フランクリンの価値観を例示します。

ベンジャミン・フランクリンの価値観

  • 節制 頭や体が鈍くなるほど食べない。はめをはずすほどお酒を飲まない
  • 沈黙 他人あるいは自分に利益にならないことは話さない。よけいな無駄話はしない
  • 規律 自分の持ち物はすべて置き場所を決めておく。仕事はそれぞれ時間を決めて行う
  • 決断 なすべきことをやろうと決心する。決心したことは必ずやり遂げる
  • 節約 他人や自分に役立つことにのみお金を使う。すなわち無駄遣いはしない
  • 勤勉 時間を無駄にしないこと。いつも有益なことに時間を使う。無益な行動をやめる
  • 誠実 だまして人に害を与えない。清く正しく思考する。口にする言葉も、また同じ
  • 正義 不正な行い、あるいは自分の義務であることをやらないで他人に損害を与えない
  • 中庸 何事も極端でない。たとえ相手に不正を受け激怒するに値すると思っても、がまんしたほうがよいときはがまんする
  • 清潔 身体、衣服、住居を不潔にしない
  • 冷静 つまらないこと、ありがちな事故、避けられない事故などに心を取り乱さない
  • 純潔 性におぼれ、なまけものになったり、自分や他人の平和な生活を乱したり、信用をなくしたりしない
  • 謙譲 イエスおよびソクラテスを見習う

要は「価値観」という自分自身の法律を作り上げ、そこから逸脱しない範囲での目標を設定する作業となります。

余談

若き「ベンジャミン・フランクリン(1)」は人生の目標として13の徳目を特定しました。そして1週間に1徳目ずつ、1つの徳目に年間で合計4週間取り組めるように設定しました。
アメリカ合衆国建国の父 (100ドル札の人)

価値観を明確にする手順

自分が大切にしたい価値観を明確にすることで、行動や選択に一貫性が生まれます。ここでは、過去の体験を振り返りながら、自分の価値観を整理する具体的な手順を紹介します。

まずは過去の経験を書き出す

自分の価値観は、感情が大きく動いた出来事の中に隠れていることが多くあります。ポジティブ・ネガティブ両方の経験を掘り起こすことで、自分にとって「何が大事だったのか」が見えてきます。

ポジティブな経験

「嬉しかった」「やりがいを感じた」といったポジティブな出来事は、自分が満たされた価値観を反映しています。具体的な体験をできるだけ多く思い出し、どんな状況だったのかを整理しましょう。

ネガティブな経験

「許せなかった」「違和感を覚えた」といったネガティブな体験も、重要な価値観のヒントになります。自分が何に対して不快感を持ったのかを言語化することで、大切にしているものが見えてきます。

価値観ワードを抽出する

書き出した体験をもとに、「自分は何を大事にしていたのか」をキーワードとして抽出していきます。以下はその一例です。

体験価値観キーワード
理不尽な上司に怒鳴られた尊重、公正
お客様に喜ばれた貢献、信頼

目標設定のステップ

ここで一つ「目的」と「目標」の違いについて考えてみましょう。

「目的」と「目標」の違い

目的と目標の違いは、目指すものという意味では同じだが、目的は、最終的に実現しよう、成し遂げよう、到達しようとして目指すもの。 目標は、さしあたって実現させたり、成し遂げたり、到達しようと目指すものをいう。 目標には「目印」の意味もあるように、目的を達成するために設けた目印が「目標」と言えるでしょう。

このブログであえて「目標」としているのは、今現時点の状態で目的まで設定するのは現実的に不可能だと判断したからです。目的に向けた目標レベルからでも十分です。今後10年~15年間分の目標を立てることから始めます。

そしてその目標は価値観に沿ったものであるべきです。まず、目標を下記の6セクションにテーマ分けしていきます。

目標設定の6セクション

  1.  基礎レベル
    1. 健康
    2. 教養・知識
    3. 心・精神
  2. 現実レベル
    1. プライベート・家庭
    2. 社会・仕事
  3. 結果レベル
    1. 経済・物・金

上記の項目は「 一冊の手帳で夢は必ずかなう」のアイデアが大変参考になりました。

さらに目標のテーマとなる6セクションを三分割し「基礎レベル」「実現レベル」「結果レベル」に分けて行きます。目標のテーマとなる6セクションの基礎レベルとなる部分が「健康」で、「教養・知識」と「心・精神」が残りの二つの課題となります。

つまり「結果レベル」は「実現レベル」の結果であり、「実現レベル」は「基礎レベル」の状態に左右されます。

各セクションに重要度を設定するとするならば、当然「基礎レベル」が最も重要なセクションとなります。心身共に健康な状態でなければ、これから作成する目標設定の実現はありえないからです。

簡単な例として私自身の目標設定例を記載しておきます。

目標設定例(フリーランス版)

1.健康・生活習慣
 1.1. 定期的に運動(朝散歩 or 自宅トレーニング)を継続する
 1.2. 年1回の健康診断・歯科検診を欠かさない
 1.3. デスクワーク中心の生活で体を固めないようストレッチ習慣をつける
 1.4. 就寝時間・起床時間を一定に保つ
 1.5. 週2回以上は外出してリフレッシュを意識する
2.スキル・知識の習得
 2.1. 技術ブログやYouTubeで最新技術トレンドを毎週キャッチアップ
 2.2. 月に1冊は専門書・ビジネス書を読む
 2.3. 月1回はUdemyなどでスキルアップ講座を受講
 2.4. 実務で使えるツール(Notion/Git/SQL等)を使いこなす
3.マインド・精神面の維持
 3.1. 自分の価値観に沿った働き方・案件選びを徹底する
 3.2. メンタルが揺れたときは日記 or 手帳で内省する
 3.3. 売上よりも「やりがい・納得度」を優先できる判断軸を持つ
4.プライベート・自己投資
 4.1. ワーケーションを取り入れてリズムを変える
 4.2. 年に1回は「行きたかった場所」に自分をご褒美旅行
 4.3. 作業環境(椅子・机・PC周辺)に投資して快適化する
 4.4. 定期的に美術館・映画・音楽など感性を刺激する場所へ行く
5.人間関係・仕事
 5.1. 信頼できるフリーランス仲間・相談相手を3人以上持つ
 5.2. 月1回以上はSNS・ブログ等で情報発信を継続する
 5.3. お互いに高め合えるパートナーや共同案件を作る
 5.4. 単価アップや条件交渉を恐れず、自分の価値を正当に伝える
6.お金・将来設計
 6.1. フリーランス用の事業口座と生活口座を完全分離する
 6.2. 確定申告・経費計上・税金準備を毎月ルーティン化
 6.3. 積立NISA・小規模企業共済など将来資金対策を進める
 6.4. 急な収入変動に備え、最低3ヶ月分の生活費を確保しておく

簡単な 目標設定例 を例示してみましたが、堅苦しく考えず気が付いた時点でちょくちょく変更していけば良いのです。そして上記で作成した目標を、現在から何年目で達成させるかを考えていきます。

これをやってみると本当に自分自身が変化していくのを驚くほど実感します。具体的な方法については下記リンクから詳しく説明していきます。

価値観をもとに、自分に合った目標を設定することは、フリーランスとしての成功に不可欠です。ここでは、理想の未来を明確にし、それに向けた具体的な目標を設定する手順を解説します。

中長期の理想像を描く

5年後、10年後にどのような働き方をしていたいか、どんな生活を送りたいかを具体的に想像します。理想像が明確になると、目指すべき方向が定まり、日々の行動に意味を持たせることができます。

理想から逆算した目標を設定

理想の未来を実現するために、そこへ到達するまでのステップを分解し、現実的な目標に落とし込むことが重要です。短期・中期・長期に分けて、実現可能な目標を立てましょう。

数値化できる目標の立て方

売上、フォロワー数、案件数など、達成度を測れる数値目標を設定することで、進捗が明確になります。以下の表は、数値目標の具体例です。

目標項目短期(1年以内)中期(3年以内)長期(5年以上)
月収30万円50万円100万円
フォロワー数1000人5000人1万人
受注案件数5件/月10件/月15件/月

感情に寄せた目標も取り入れる

数値目標だけでなく、「ワクワクする」「やりがいを感じる」といった感情軸の目標も大切です。自分が楽しめる仕事のスタイルや、達成感を得られる活動を明確にしましょう。

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