
APIの動作確認や開発現場でのテストに欠かせないのが「Postman」というツールです。この記事では、Postmanのインストール方法から基本的な使い方、GETやPOSTなどのリクエストの送信方法まで、APIテストの基礎を初心者向けにわかりやすく解説します。これからAPI開発やWebシステムに携わる方は、ぜひPostmanを活用できるようになりましょう。
API の動作確認(Postman)
Spring Boot の REST API が正しく動作しているかを確認するには、Postman というツールを使用すると便利です。
Postman とは?
Postman は、API のリクエストを簡単に送信して動作確認ができる無料ツールです。ブラウザやアプリから API にアクセスする前に、個別にテストすることができます。
Postman は、API 開発の現場で広く利用されているツールであり、以下のような場面で特に役立ちます。
プロジェクトで使う場面
- PAPI の動作確認(開発中)
API にリクエストを直接送信し、レスポンスを確認することで、バックエンドの処理が正常に機能しているかテストできます。 - バグ調査・デバッグ
アプリのフロントエンドとバックエンドのどちらに問題があるのかを切り分ける際に、Postman を使って API のレスポンスを直接確認することができます。 - フロントエンドチームとの連携
バックエンドの開発者が API のエンドポイントを Postman で共有することで、フロントエンドの開発者がスムーズにテストできるようになります。 - API のドキュメント作成 & 共有
Postman では API のリクエストやレスポンスを保存し、チームメンバーと共有することが可能です。API 仕様の管理にも役立ちます。 - 自動テスト・CI/CD との統合
Postman のテスト機能を活用し、CI/CD パイプラインに組み込むことで、API の品質を継続的に検証することができます。
このように、Postman は API 開発において重要な役割を果たすツールです。次に、Postman を使用して Spring Boot の API をテストする方法を解説します。
PostmanはJava専用のものではなく、API開発における共通ツールです
Postman のインストール方法
- Postman 公式サイト からダウンロード&インストール
- 起動後、「Skip and go to the app(スキップしてアプリを使う)」を選択(サインアップ不要)
- API テストを開始

本記事では、Postmanの動作確認用にあらかじめJavaで構築済みの簡易なAPIサーバー(CRUD対応)を想定しています。クラスのコードについては割愛しますが、動作するREST APIがある前提で進めます。
PostmanでAPIのCRUD操作をテストする方法
Postmanを使うことで、ブラウザやフロントエンドの実装を行わなくても、バックエンドのAPIに対して直接リクエストを送信し、動作を確認できます。ここでは、REST APIでよく使われる4つの基本操作(Create, Read, Update, Delete)いわゆる「CRUD処理」を、Postmanを使ってテストする方法を解説します。
Getリクエストでデータ取得
- Postmanを起動します。
Postmanを開き、新しいリクエスト「HTTP」を作成します。


- メソッドを「GET」に設定
- URLに http://localhost:8080/users を入力
- 「Send」ボタンをクリック
- 画面下部のレスポンスにJSONデータが返ってくることを確認
POSTリクエストでデータを追加
- メソッドを「POST」に変更
- URLに http://localhost:8080/users を入力
- 「Body」タブを開き、「raw」→「JSON」を選択
- 以下のようなJSONを入力
{
"name": "Jiro",
"email": "jiro@example.com"
}
- 「Send」ボタンを押して、データが追加されたことを確認
PUTリクエストでデータを更新
- メソッドを「PUT」に設定
- URLを http://localhost:8080/users/1 に変更(id=1のユーザーを更新)
- 「Body」タブで以下のJSONを入力
{
"id": 1,
"name": "Taro Updated",
"email": "taro_updated@example.com"
}
- 「Send」をクリックして更新を確認
DELETEリクエストでデータを削除
- メソッドを「DELETE」に変更
- URLを http://localhost:8080/users/1 に設定
- 「Send」ボタンをクリックし、データが削除されたことを確認
削除後の確認方法
削除処理が正しく動作しているか、以下の手順で確認できます。
- DELETE http://localhost:8080/users/1 を実行
- GET http://localhost:8080/users を実行し、ID 1 のデータが消えているか確認
ステータスコードの確認ポイント
DELETE リクエストのレスポンスは、基本的にボディなしで返ってくるのが一般的です。そのため、ステータスコードを確認するのが正しい方法です。
ステータスコード | 意味 |
---|---|
204 No Content | 削除成功(標準的なレスポンス) |
200 OK | 削除成功(何かしらのレスポンスがある場合) |
404 Not Found | 指定したIDのデータが存在しない |
500 Internal Server Error | サーバー側のエラー(DBの制約違反など) |
PostmanはJava専用じゃない?実は言語を問わない万能ツール
Postmanは、Spring BootとのAPI接続確認によく使われますが、実はJava専用のツールではありません。言語を問わず、HTTPリクエストとレスポンスの検証ができる汎用APIテストツールとして、多くの現場で活用されています。
Postmanはあらゆる開発言語に対応
PostmanはHTTP通信をベースにしているため、バックエンドの実装言語に関係なく使えます。Python(FlaskやFastAPI)、Node.js(Express)、PHP(Laravel)、Ruby on Railsなど、さまざまなフレームワークと連携してAPI検証に使われています。
Postmanでできることは言語共通
具体的にPostmanでできることは以下の通りです:
用途 | 活用例 |
---|---|
APIの動作確認 | GET/POST/PUT/DELETEのリクエストを送信し、レスポンスの中身をチェック |
認証付きリクエストのテスト | BearerトークンやAPIキー付きのリクエストを手軽に再現 |
バックエンドとフロントエンドの疎通確認 | APIが期待通りのデータを返しているかを事前にテスト |
外部APIとの接続テスト | Stripe、OpenAI、Google APIなどの挙動を事前に検証 |
Javaで使われるのは“実用性が高いから”
Java(特にSpring Boot)では、開発中にWeb画面を作り込む前にAPIの動作を検証する必要があります。Postmanを使えば、フォームや画面がなくてもHTTPリクエストを直接送信できるため、確認スピードが圧倒的に上がります。Java専用ではないものの、開発の生産性を高めるツールとして非常に相性が良いのです。