職場の若手が皆US配列キーボードを使用していることは前回記事で触れましたが、それに触発されたわけではありませんが、やっぱり世界標準のUS配列を使用他方が良いのでは?と思うようになってきました。
実際、今までJIS配列キーボードを使用してきたため、ゲームなどにはを一切触れない筆者には特にこれと言ってJIS配列に不満は全くないのですが、若手エンジニアに言われた最後の言葉が気になって仕方がないのです。
「データセンターのサーバルームにあるKVMもUS配列じゃないですか・・」
これは流石に痛いっ・・
確かに私が携わってきたデータセンターは、何処も例外なくKVMにUS配列のキーボードを採用していました。当時は全く気にも止めていなかったのですが、改めて尋ねられると全く答えることができません。
振り返ると会社から支給されるPCも例外なく全てがJIS配列のキーボードでしたし、私が現在愛用しているPC(MacBookPro)もJIS配列です。なぜ?
- 「そもそもJIS配列のKVMなんてこの世に存在するのか?」
- 「エンジニアとしてUS配列が正解なのでは?」
- 「何も考えずにJIS配列使ってるけど、だいたい仮名キーなんて使ったことなんてないぞ?」
- 「同僚の陳さん(中国籍)、高さん(韓国籍)もUS配列使ってるな・・」
- 「JIS配列なんて特殊なことしてるのって日本人だけ?」
疑問はますます膨れ上がってきました。
メリット・デメリット(JIS配列、US配列)
エンジニアが使用するキーボードの配列について、「JIS配列」と「US配列」のどちらが良いかは、個人の好みや用途、開発環境に大きく依存します。それぞれの特徴を見ていきます。
JIS配列の特徴
日本語入力用の「変換/無変換」キーや「かな」キーがあり、日本語文章の入力がスムーズで、記号キーが多い。記号入力は位置が複雑で、プログラミングにはやや不向き。
- JIS配列のメリット
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- 日本語入力のしやすさ
日本語の文章を頻繁に入力する場合、変換キーやかな入力キーが便利。 - 国内PCでの標準設定
日本の多くのPCで採用されており、設定変更が不要。
- 日本語入力のしやすさ
- JIS配列のデメリット
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- 特殊記号の入力が煩雑
プログラミングでは記号入力が頻繁に必要となるが、「{}」「[]」「~」などがUS配列よりも入力しづらい。 - キーの位置の違い
EnterキーやShiftキーが小さく、押し間違えやすい。
- 特殊記号の入力が煩雑
- JIS配列が向いている人
- 日本語入力を頻繁に行う。
- 日本国内で一般的な環境に慣れている。
- 設定変更やキー配列の違いに抵抗がある。
US配列の特徴
「{}」「@」「\」などの記号が直感的に入力でき、プログラミングや英語環境に適した合理的なレイアウト。ただし日本語切替には工夫が必要。
- US配列のメリット
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- プログラミングに便利
「{}」「[]」「;」などの記号が入力しやすい。 - 効率的なレイアウト
キーの位置が左右対称で、慣れるとタイピングが早くなる。 - 国際標準
開発環境で使われるソフトウェアやツールがUS配列に最適化されている場合が多い。
- プログラミングに便利
- US配列のデメリット
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- 日本語入力が手間
日本語変換のためのキーがないため、AltやCtrlキーを駆使する必要がある。 - 慣れるのに時間がかかる
JIS配列に慣れている場合、初期の違和感が大きい。
- 日本語入力が手間
- US配列が向いている人
- プログラミングを主に行う。
- 特殊記号を頻繁に使用する。
- 国際的なプロジェクトや英語の開発環境で作業する。
結論:どちらが良いのか?
- プログラミングメインの場合はUS配列
特に記号の入力効率や国際標準性を重視する場合、US配列が便利。
- 日本語入力に特化: 日本語のひらがなや漢字変換キー(変換・無変換など)があり、日本語入力が便利。
- キーが多い: 記号キーやEnterキーが多く、配置がコンパクト。
- 慣れやすい: 日本国内で主流のため、特に初心者や日本の標準配列に慣れている人には扱いやすい。
- 一般的な用途+日本語入力の場合はJIS配列
日本語を多用する環境ではJIS配列がストレスなく使える。
- プログラミングに最適: 特殊記号の位置がわかりやすく、直感的に入力できる。
- シンプルな配置: 日本語変換キーがない分、キーが少なくすっきりしたレイアウト。
- 国際標準: 他国と共同開発を行う場合、US配列が一般的。
これまでのキャリアが全て否定され、フライパンで頭を思いっきり殴られたような感覚です。JIS配列キーボードで特に不便を感じたことがなかったのですが、自分があまりにも無知で世界を知らなかったことを痛感させられました。
結局、JIS配列とは日本語を使う人に向けて作られたキー配列であり、世界的に見れば超マイナー配列なのです。日本を代表するSierでさへJIS配列の作業PCをエンジニアへ支給しているおかしな状況が今も続いています。なんでこんなマイナーなガラパゴス配列を使わせているのだろうか・・
愚痴を言ってても始まりません。日本問わず、世界で活躍できるシステムエンジニアを目指す以上、US配列に移行するのは急務だと言うことがわかりました。時すでに遅し感は否めませんが・・
JIS配列からUS配列への乗り換え
JIS配列からUS配列への移行は、プログラミングや特殊記号の入力効率を向上させるメリットがありますが、初期の学習コストや日本語入力環境の調整が必要です。
移行時の主な問題点
まず、本当に今から「キーボードの配列乗り換えが可能かどうか」、また、「その際立ち塞がる問題は何があるのか」から調査に入ります。
- 日本語入力の切り替えが面倒になる
•問題: JIS配列では「半角/全角」キー1つで切り替え可能だが、US配列には専用キーがない。
•対策: Caps LockキーをIME切り替えに割り当てる。またはカスタムソフトウェア(例: AutoHotkey、Karabiner-Elements)を利用する。
- 記号の配置に戸惑う
•問題: 「{}」「[]」「@」「\」など、頻繁に使用する記号の位置が異なる。
•対策: キーボードの上部にシールを貼る。記号の入力に慣れるためのタイピング練習を行う(例: Keybr、TypingClub)。
- 日本特有の環境との互換性
•問題: 日本語特化のアプリやショートカットがJIS配列を前提にしている場合、使い勝手が悪くなる。
•対策: 主要なツールでショートカットを再設定。必要に応じてJIS配列のキーボードを併用。
- EnterキーやBackspaceキーのサイズ感
•問題: JIS配列のEnterキーのサイズに慣れていると、US配列では押し間違えが起きやすい。
•対策: キーボード選びの際に「Enterキーの大きさ」を考慮する。押し間違いを防ぐためのキーボードカバーを検討。
- 設定変更時の混乱
•問題: OSやソフトで設定ミスが発生すると、キー入力が不安定になる。
•対策: 変更前に現在の設定をバックアップ。不具合時にすぐ戻せるよう、JIS配列に切り替える手順を確認しておく。
早速MacとWInへUS配列キーボードを認識させてしばらく(2時間ほど)試してみましたが、記号の違いは頭の片隅に記憶されているようで、自然と指が動くとまでは行きませんが、なんとか使いこなせているようです。問題は「Enter」キーです! 何度トライしても「Enter」キーを押すつもりで「Backslash」キーを押してしまいます。
普通に長文などを入力している分には「間違えたっ!」で済みそうですが、プログラミング中やサーバーの設定中にこれをやってしまうと笑い事では済みません。次第に精神的に疲れてきたらしく「もう慣れ親しんだJIS配列でもいいのでは?」と心の中で何度も呟く声が聞こえます。とりあえず指が慣れるのに期待するしかありません。
移行した結果
誇らしげにHHKB(JIS配列)がデスクのど真ん中を占拠しています。このキーボードは知る人ぞ知るキーボード界の頂点に君臨する「HHKB Professional hybrid type-s」です。
軽量かつコンパクト、また静電容量無接点方式を採用しているため、長時間のプログラミングも苦にならない。現在、キーボード界の頂点に君臨するキーボード「HHKB」です。強いて難点を挙げるとすれば、3万5千円を超える価格。たっかい!
なんとしても自分自身の身をデファクトスタンダード(世界標準)規格の人間となるためには、このHHKBに別れを告げなければなりません。US配列版を買おうとも思ったのですが、いろいろネットを漁っていたところ良さそうなキーボードを発見しましたので早速購入!重量2kg弱と持ち運びは絶望的ですが、打鍵音が雨音を思わせる素晴らしい音色(打鍵音)のUS配列キーボード「Rainy75」!
デスク環境とも相性バッチリのデザイン。Windowのキーボード設定をUS配列に変更するくらいでうまく適合できました。あとはUS配列のキーボードに慣れるだけです。慣れるだけ・・慣れる・・なれ・・
まとめ
世界標準のエンジニアとして少しでも多くの付加価値を自分に身につけたいと思う30代〜40代の野心家エンジニアは断然US配列!
そうでない方はJIS配列でも無問題。また、50を過ぎた老練エンジニアな型もJIS配列でも良い気がします。齢50を超えて「世界へ飛び出していくぜ!」なんて人はいそうそういないだろうし・・いたら済みません。
付け加えるとすれば、キーボードを探している時に思ったのですが、打鍵音やキータッチにこだわる方は断然US配列をお勧めします。US配列は世界標準も同じなので、キーボードのバリエーションが無限に存在します。逆にJIS配列になると日本国内でしか見つけることができません。国産で一部「静電容量無接点方式」という超絶タッチ感なキーボードも存在しますが、価格がめちゃくちゃ高い!