Javaの基礎知識(基礎編)

【Javaの基礎知識】JDKとEclipseの導入方法を徹底解説!

Javaプログラミングを始めるには、まず JDK(Java Development Kit) と Eclipse の導入が必要です。本記事では、JDKとEclipseの基本知識からインストール手順、環境設定までを初心者向けに詳しく解説します。Java開発環境をスムーズに構築し、プログラミングを始める準備を整えましょう。

Java開発に必要な環境とは?

Javaの開発環境を整えるには、JDK(Java Development Kit)とEclipse(統合開発環境)の導入が必須です。ここでは、それぞれの役割や関係性について解説します。

JDKとは?

JDK(Java Development Kit)は、Javaアプリケーションの開発に必要なツール群を提供するソフトウェアです。

JDKの役割と必要性

JDKはJavaプログラムを開発・実行するための必須ツールであり、以下の機能を提供します。

  • Javaコンパイラ(javac)
  • Javaランタイム環境(JRE)
  • デバッガ(jdb)
  • 各種ライブラリとAPI

JDKの主な構成要素

構成要素説明
javacJavaソースコードをバイトコードに変換するコンパイラ
javaコンパイル済みのJavaプログラムを実行するランタイム
jdbJavaプログラムのデバッグツール
jarJavaアーカイブを作成・管理するツール

Eclipseとは?

Eclipseは、Javaをはじめとする多くのプログラミング言語の開発を支援する統合開発環境(IDE)です。

Eclipseの概要

Eclipseは、プラグインによる拡張性が高く、初心者から上級者まで幅広く利用されています。

Eclipseのメリットと特徴

  • 無料で利用できるオープンソースの開発環境
  • プラグインによる拡張が可能
  • Javaだけでなく、PythonやC++など多くの言語に対応
  • デバッグ機能やコード補完機能が充実

Java開発環境の全体像

JDKとEclipseは密接に連携し、効率的なJava開発を支えます。以下にその関係性を示します。

JDKとEclipseの関係性

Eclipseは、JDKが提供する機能を活用してJavaアプリケーションの開発を行います。JDKがなければ、EclipseでJavaコードをコンパイル・実行することはできません。

他に必要なツールやプラグイン

  • Maven(ビルドツール)
  • Lombok(コード補完プラグイン)
  • Pleiades(Eclipseの日本語化)

JDKのインストール方法

Javaを開発するためには、JDK(Java Development Kit)のインストールが必須です。ここでは、JDKのダウンロード方法からインストール手順、環境変数の設定まで詳しく解説します。

JDKのダウンロード

JDKには大きく分けてOracle JDKとOpenJDKの2種類があります。それぞれの違いを理解し、適切なものを選択しましょう。

Oracle JDKとOpenJDKの違い

種類特徴
Oracle JDK商用ライセンスが必要(開発環境では無料利用可)。サポートが充実しており、企業向けに最適。
OpenJDKオープンソースで無料。機能はOracle JDKとほぼ同じだが、サポートはコミュニティベース。

ダウンロードサイトと推奨バージョン

推奨バージョンは最新のLTS(Long Term Support)版を選択するのが望ましいです。

JDKのインストール手順

JDKのインストール方法はOSごとに異なります。ここでは、Windows、Mac、Linuxの各OSでのインストール手順を解説します。

Windowsでのインストール方法

  1. 公式サイトからインストーラー(.exe)をダウンロード
  2. インストーラーを実行し、指示に従ってインストール
  3. インストール完了後、環境変数を設定

Macでのインストール方法

  1. 公式サイトから.dmgファイルをダウンロード
  2. インストーラーを実行し、指示に従ってインストール
  3. ターミナルで`java -version`を実行して動作確認

Linuxでのインストール方法

Linuxではパッケージマネージャーを使用してインストールできます。

sudo apt update && sudo apt install openjdk-17-jdk

または、CentOS/RHEL系では以下のコマンドを使用します。

sudo yum install java-17-openjdk

環境変数の設定

JDKを正しく動作させるためには、環境変数を設定する必要があります。

JAVA_HOME の設定

以下のパスを環境変数`JAVA_HOME`として設定します。

  • Windows: `C:\Program Files\Java\jdk-17`(バージョンにより異なる)
  • Mac: `/Library/Java/JavaVirtualMachines/jdk-17.jdk/Contents/Home`
  • Linux: `/usr/lib/jvm/java-17-openjdk`

PATH の設定

`JAVA_HOME` をPATHに追加することで、Javaコマンドをどこからでも実行できるようになります。

export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH

確認方法とトラブルシューティング

環境変数の設定が正しく適用されているか確認するには、以下のコマンドを実行します。

java -version

問題が発生した場合、以下の点を確認してください。

  • 環境変数が正しく設定されているか
  • 設定を反映するためにシェルを再起動したか
  • 異なるJDKが複数インストールされていないか

Eclipseのインストール方法

Eclipseは最も初心者向けのIDEです。なぜなら「JDKのインストールとIDEの日本語化が同時にできる」上「ダウンロードしたファイルを解凍したらすぐにプログラミングに入れる」からです。

基本的にJDKは別途インストールして、JDKをインストールしたパスをIDEに設定して...という工程が必要ですが、Eclipseでは最初からインストールされているので必要ありません。

あと日本語化についてですが、実はJavaのIDEは英語が基準で作られています(少なくとも筆者は日本語が標準で作られているIDEを知りません)日本語で使いたい場合はその設定が必要なんですが、Eclipseの場合は最初から日本語にすることができるので非常に楽です。

Eclipseではこの2つが最初から設定されているので、初心者にはうってつけです。

ここでは、Eclipseのダウンロード方法からインストール手順、初期設定まで詳しく説明します。

Eclipseのダウンロード

Eclipseのインストールには、適切なバージョンをダウンロードする必要があります。

日本語化(Pleiadesプラグイン)の導入

Eclipseの日本語化を簡単に行う方法として、Pleiades All in One を使用するのがおすすめです。これにより、Eclipseのセットアップと日本語化を一度に完了できます。

  1. Pleiades All in Oneの公式サイト にアクセス
  2. 「Eclipse 2024-XX Pleiades All in One」を選択し、64bit版をダウンロード
  3. ダウンロードしたzipファイルを解凍
  4. フォルダ内の `eclipse.exe`(Windows)または `Eclipse.app`(Mac)を実行

これで、日本語化されたEclipseがすぐに利用できます。

Eclipseのインストール手順

Eclipseのインストール方法は、OSごとに異なります。以下の手順に従ってインストールを進めてください。

Windowsでのインストール方法

  1. 公式サイトからWindows用のインストーラー(.exe)をダウンロード
  2. インストーラーを実行し、セットアップを開始
  3. 「Eclipse IDE for Java Developers」を選択
  4. インストール先を指定し、「Install」ボタンをクリック
  5. インストール完了後、「Launch」ボタンで起動

Macでのインストール方法

  1. 公式サイトからMac用の.dmgファイルをダウンロード
  2. .dmgファイルを開き、EclipseのアイコンをApplicationsフォルダにドラッグ&ドロップ
  3. 「Applications」フォルダからEclipseを開く

Linuxでのインストール方法

Linuxでは、パッケージマネージャーを利用してインストールする方法と、公式サイトからtar.gzファイルをダウンロードして手動でインストールする方法があります。

Ubuntu/Debian系の場合:

sudo apt update && sudo apt install eclipse

Fedora/CentOS系の場合:

sudo dnf install eclipse

または、公式サイトからtar.gzをダウンロードし、以下の手順でインストール:

  1. ダウンロードしたファイルを解凍
  2. 適当なディレクトリに配置
  3. Eclipseを実行

Windows11でEclipseをインストールする

① 次のURLにアクセスします。

Pleiades All in Oneの公式サイト

② Eclipse 2024を押下します。

③「Windows 64bit」の「Full Edition」の「Java」のダウンロードボタンを押下します。

圧縮ファイルのダウンロードが開始されるので、完了するまでしばらく待ちます。

④ Eclipseをダウンロードしている間に7-zipをインストールしておきましょう(他の解凍ファイルでEclipseを解凍すると、ファイルが破損してしまいます)。

次のURLから7-zipをダウンロードし、インストールしておきましょう。

7-Zip

⑤ Eclipseのダウンロードが完了したら7-zipで解凍します。これでインストールは完了です。

「解凍先フォルダ\pleiades-2024-12-java-win-64bit-jre_20250120\eclipse」の直下にeclipse.exeが入っているので、それを開きます。

⑥ Eclipse が起動を開始し、「workspase」の設定ダイアログが表示されます。

Eclipseを初回起動すると、ワークスペースの設定ダイアログが表示されます。
ワークスペースとは、プロジェクトや設定ファイルを保存するフォルダのことです。通常、デフォルトの設定のままでも問題ありませんが、特定のフォルダにプロジェクトをまとめたい場合は、「参照」ボタンをクリックして保存先を変更 できます。また、「この設定をデフォルトとして使用する」にチェックを入れると、次回以降の起動時にワークス

これでEclipseを使う準備は整いました。必要に応じてEclipseのショートカットを作ったり、タスクバーに留めておきましょう。

MacでEclipseをインストールする

① 次のURLにアクセスします。

Pleiades All in One

② Eclipse 2024を押下します。

③「Mac ARM」の「Full Edition」の「Java」のダウンロードボタンを押下します。

圧縮ファイルのダウンロードが開始されるので、完了するまでしばらく待ちます。

④ ダウンロードが完了したらファイルを開きます。すると次のような画面になるので、EclipseのアイコンをApplicationにドラッグ&ドロップします。

⑤ これでEclipseのインストールは完了です。

LaunchpadからEclipseを開いてみましょう。次のようなダイアログが表示されます。

このダイアログが出たら一旦「完了」を押して閉じます。

⑥ Eclipseを開けるようにするために、システム環境設定を開き、その中の「セキュリティとプライバシー」を押下し、 下の方に「このまま開く」というボタンがあるので押下します。これでEclipseを開くことができます。

⑦ Eclipse が起動を開始し、「workspase」の設定ダイアログが表示されます。

Eclipseを初回起動すると、ワークスペースの設定ダイアログが表示されます。
ワークスペースとは、プロジェクトや設定ファイルを保存するフォルダのことです。通常、デフォルトの設定のままでも問題ありませんが、特定のフォルダにプロジェクトをまとめたい場合は、「参照」ボタンをクリックして保存先を変更 できます。また、「この設定をデフォルトとして使用する」にチェックを入れると、次回以降の起動時にワークス

これでEclipseを使う準備は整いました。

Java開発を始める準備

Javaの開発を始めるには、開発環境を整え、基本的なプロジェクトを作成する必要があります。本記事では、Eclipseを使用したJavaプロジェクトの作成方法や、よく使用されるプラグインの導入方法、トラブル発生時の対処法について解説します。

最初のプロジェクトを作成する

最後にプロジェクトを作成しましょう。

Java開発を始めるには、最初にプロジェクトを作成する必要があります。以下の手順でEclipseを使用して新しいJavaプロジェクトを作成しましょう。

Javaプロジェクトの作成手順

  1. Eclipseを起動し、「ファイル」メニューから「新規」→「Javaプロジェクト」を選択
  2. プロジェクト名を入力し、JDKのバージョンを確認
  3. 「完了」をクリックしてプロジェクトを作成

① Eclipseを開くと下のようなダイアログが表示されます。

この選択を〜のチェックスボックスにチェックを入れ、起動を押下します。

少し待つと次の画面が表示されます。

② 画面左上の「Javaプロジェクトの作成」を押下します。

③ Javaプロジェクト作成ダイアログが表示されるので、プロジェクト名に「java_study」と入力して「完了」ボタンを押下します。

これでプロジェクトが作成されました。

Javaファイルの作成

プロジェクトを作成したら、Javaのコードを記述するためのクラスファイルを作成します。

  1. 作成したプロジェクトを右クリック → 「新規」 → 「クラス」を選択
  2. 「クラス名」に `Main` と入力
  3. 「public static void main(String[] args)」にチェックを入れ、「完了」をクリック

Hello, World! プログラムの実行

作成したプロジェクト内に、基本的なJavaプログラムを作成し、正しく動作するか確認します。

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        System.out.println("Hello, World!");
    }
}

上記のコードを `Main.java` に入力し、実行ボタンをクリックすると、「Hello, World!」と出力されることを確認してください。

必要なプラグインの導入

Eclipseでは、開発を効率化するためにさまざまなプラグインを導入できます。ただし、最初からすべてのプラグインを入れる必要はありません。ここでは、Java開発でよく使われるプラグインを紹介しますが、初心者のうちは無理に導入せず、慣れてきたら試してみるのがおすすめです。

Mavenの設定(慣れてきたら導入)

Mavenは、Javaのライブラリ管理を自動化できるツールです。大規模なプロジェクトでよく使われますが、最初は手動で設定しても問題ありません。

導入手順:

  1. Eclipseの「ヘルプ」メニューから「Eclipse Marketplace」を開く
  2. 検索ボックスに「Maven」と入力し、「Maven Integration for Eclipse」をインストール
  3. インストール後、Eclipseを再起動
  4. 「新規」→「Mavenプロジェクト」を作成し、適切なアーキタイプを選択

ただし、Mavenはプロジェクト管理の知識が必要になるため、最初は使わなくても大丈夫です。開発に慣れてきたら導入を検討しましょう。

Lombokの導入(余裕があれば試してみる)

Lombokは、コードを簡潔にするためのライブラリで、Java開発をよりスムーズにしてくれます。ただし、設定が必要なので、初心者のうちはなくても問題ありません。

導入手順:

  1. Lombokの公式サイト から `lombok.jar` をダウンロード
  2. ダウンロードしたファイルをダブルクリックし、インストール
  3. Eclipseの `eclipse.ini` ファイルに `-javaagent:lombok.jar` を追加
  4. Eclipseを再起動し、Lombokの動作を確認

Lombokを使うと、コード量が減ってスッキリしますが、設定が少し難しいため、慣れてから導入するのがおすすめです。

まずは、Eclipseの基本操作に慣れ、Javaの基礎を理解してからプラグインを導入すると、スムーズに開発が進められます。

Eclipse上でのコンパイル

コンパイルとは「Javaのソースコードをコンピュータが理解できる言葉に変換する作業」のことです。

コンピュータは0と1だけで構成されている「機械語」でないと、何を命令されているのか理解できません。なので、作成したコードをコンパイルをして機械語に直す必要があります(コンパイルしてくれるシステムのことを「コンパイラ」と呼びます)。

これらの処理はEclipse側で「実行」するだけで、裏で自動的に処理してくれます。なので今は参考程度に留めても良いですが、いずれコンパイルされたファイルを直接のぞいてみる必要が出てくるかもしれないので、覚えておいて損はありません。 

実装からコンパイルまでの流れ

では実際にソースコードを書いて、プログラムを「実行」してみましょう。Eclipseでの実行は非常に簡単です。ここでは「文字をコンソールに出力する」ことをゴールにしましょう。コンソールとはプログラムの実行結果を表示するところです。

ではいきましょう。Main.javaに次のコードを記述したら、「」Ctr + S」キーを押してプログラムを保存してください。

IDEにエクリプスを使用している場合は、「Ctr + S」キーを押して、記述したプログラムを保存すれば、自動的にコンパイルが行われます。

[Main.java]

package java_study;
public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        System.out.println("Hello Java World!"); 
    }
}

mainメソッド内のコメントを決して、System.out.println("Hello Java World!"); という記述を加えました。これは「Hello Java World! という文章を出力してください。」という意味のプログラムです。

ではこのプログラムを実行しましょう。左上にある「実行」アイコンをクリックします。

すると、画面左下のフレームが「コンソール」に変わって、「Hello Java World!」という文字が表示されます。

よくあるトラブルと対策

Java開発環境を整える際、いくつかのトラブルが発生することがあります。ここでは、代表的な問題とその対処法を紹介します。

JDKが認識されない場合の対処

JDKが認識されない場合、以下の点を確認してください。

  • Eclipseの「環境設定」→「Java」→「インストール済みのJRE」にJDKが登録されているか
  • システム環境変数 `JAVA_HOME` が適切に設定されているか
  • JDKのバージョンとEclipseの互換性を確認する

Eclipseが起動しない場合の対処

Eclipseが起動しない場合、以下の方法を試してください。

  • Javaのバージョンを確認し、最新のJDKに更新する
  • `eclipse.ini` の `-vm` オプションを正しいJDKのパスに設定する
  • Eclipseのキャッシュをクリアし、クリーン起動(`eclipse -clean`)を試す

以上の方法で、Java開発の準備が完了します。環境構築に問題がある場合は、適宜設定を見直してください。

まとめ

本記事では、Java開発に必要な JDK と Eclipse の導入方法について詳しく解説しました。適切な環境を整えることで、スムーズにJavaプログラミングを始めることができます。

最初は環境構築に戸惑うこともあるかもしれませんが、JDKのインストール、Eclipseの設定、必要なプラグインの導入など、一つずつ確実に進めていけば問題ありません。

環境構築が完了したら、実際にJavaのコードを書いて、開発に挑戦してみましょう!最初の一歩として、Hello, World! のプログラムを作成し、Eclipse上で動作確認することをおすすめします。

Java開発を続ける中で、わからないことが出てきたら、公式ドキュメントや開発者コミュニティを活用しながら学習を進めていきましょう。スキルを磨くことで、より高度なプログラムの作成が可能になります。

それでは、Java開発を楽しんでください!

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