最近ではテレビゲームやスマートフォンでのゲームも多く、ゲームで遊んだことがある方は多いと思います。
中には「ゲームの開発に関わりたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか?
一見難しそうに思えるゲームのプログラムですが、実は未経験からもチャレンジ可能な職種なんです。
今回はゲームプログラマーの仕事内容から、年収や待遇、求められるスキルや転職事情、30代でもなれるのか?といったシビアな話や、未経験からゲームプログラマーになるための方法まで、まとめてご紹介します。
未経験や異業種からゲームプログラマーへ転職をお考えの方は必読ですよ!
ゲームプログラマーとは?
ゲームプログラマーとは、文字通りゲームをプログラミングする人のことを言います。
ゲームプログラマーが開発するものは、大きくわけると下記の2つにわけられます。
- テレビゲーム
- PCゲーム
- スマフォゲーム
- コンシューマーゲーム(PlayStation等)
以前はゲームプログラマーが開発するものと言えばテレビゲームがほとんどでした。
しかし最近ではスマートフォン向けゲームアプリが登場し、ゲームアプリを開発するプログラマーも多くなってきています。
現在では、このテレビゲームはコンシューマーゲームにとって代わられ、大規模化、高画質化と進化しており、より高性能を求める「ゲームマニア」等に支持されるようになってきました。
(※ 本記事ではPCゲーム、コンシューマゲームをテレビゲームとして説明していきます。)
その為、大規模で見た目が派手な傾向にあるコンシューマーゲーム開発が大人気です。
また、ゲーム開発の企業は2つにわけられます。
自社でゲームタイトルを開発し発売する企業(パブリッシャー)
自社で開発・販売をしている場合は、ゲームプログラマー自身が当事者となりディレクターと話し合うことができます。
また、ゲームの仕様などもプログラマーから提案できる立場にあります。
大手から開発業務を請け負う開発会社
ゲーム開発の担当者のみがパブリッシャーの企業のディレクターなどと、密接に連絡を取り合いゲームを作成していきます。
その企業の形式によっても仕事内容は若干異なりますが、ゲームプログラマーがパブリッシャーと直接やりとりすることはありません。
ゲームプログラマーの仕事内容
ゲームプログラマーの仕事内容は、ゲームアプリに関連するプログラミングが主な業務となります。
皆さんが遊んでいるゲーム画面をプログラミングする人は「フロントエンジニア」と呼ばれ、ゲーム開発のクリエイティブな部分を担当することになります。
「ゲームプランナー」というゲームの仕様を決める人と一緒になって、仕様を元にゲームシステムを作ります。
時には仕様を技術的な面から提案することもあります。
また、開発現場にはフロントエンジニアの人達が使うシステムを構築する「バックエンドエンジニア」もいます。
こちらはより高度で専門的な技術が求められ、サーバーを構築する人や最新グラフィックをプログラミングする人など様々な専門的なプログラマーが担当します。
主に未経験で入社してきた場合に経験するのはフロントエンドエンジニアになります。
未経験の場合、まずは簡単な部分から担当することになります。
そして経験を積むに連れて難しい部分を担当し、バックエンドエンジニアになっていくのが一般的です。
良くも悪くもプログラマー社会は実力社会です。
業務で難しいことを担当するほど待遇は良くなっていく傾向にありますので、意識を高くもち、経験年数に応じて難しいことに挑戦していくのが良いでしょう。
常に最新技術の習得が必要になるからね。
年収、待遇について
一般のプログラマーと比較すると、ゲームプログラマーの年収は全体的に低い傾向にあります。
年収300万円程度から、大手ならなかには800万円近くの方もいます。
とはいえ、ゲーム作りに関わるという点でやりがいを求めて転職する人が多く、高年収のシステムエンジニアから転職されてくる方も多くいます。
働く環境についてはほとんどの会社が私服出社可能、10時以降の出社など自由な社風が多いです。
納期前の繁忙期は残業が多くなる傾向があります。
しかし、多くの会社が後で長期休暇を取れるなど、サポートがあるため比較的休みも取りやすく働きやすい環境ではあると思います。
ただゲームという遊びを開発する、という面で業務と遊びが混同しがちなのがこの業界です。
そうなってくると仕事の境目がわからなくなってしまうことがありますので、その点は注意が必要です。
業務中にYouTubeを見ながら作業する猛者もいたな~。
どんな能力やスキルが求められる?
最近では、ゲームもモバイルアプリや位置情報を使うもの、AR、VRなど様々なジャンルのものが作られるようになりました。
それにともない、ゲーム開発の現場で必要とされるスキルは非常に多くなっています。
基本的にプログラミング言語はテレビゲームではC,C++、ゲームアプリなどではObjective-Cなどの技術と知識が求められます。
ただ最近は、ゲームが簡単に作れるソフトウェア「ゲームエンジン」というものが登場し、プログラミング言語のC#やJavaができるだけでテレビゲームからスマートフォン向けゲームアプリを開発できるようになってきています。
そのこともあり上記プログラミング言語の需要が減ってきている現状もあります。
とはいえ、きちんとC,C++をはじめ上記の言語を習得して損はありません。
というのも、一つのプログラミング言語をきちんと習得すれと他のプログラミング言語の習得が簡単になるからです。
特に、プログラミング言語の中でも難しいとされるC,C++の習得は他の言語習得の助けになります。
基本情報技術者などの試験でも、C言語などの言語が用いられるので知識をもっているだけでもきっと役立つと思いますよ。
話を戻しますが、3Dゲームの開発では数学の知識も求められます。
ただ数学といっても三角関数、ベクトルや行列といった一部の知識さえあれば、問題なく業務をこなすことが可能です。
文系の方も心配する必要はありません。
コミュニケーションスキルについては、ゲームプログラマーはまずクライアントと関わることはないため求められることは少ないです。
あるに越したことはありませんが、社内で基本的なコミュニケーションがとれれば十分といえます。
採用状況や転職市場について
はじめに紹介した通り、最近はスマートフォン向けゲームアプリの市場がどんどん大きくなってきています。
そのため、ゲームプログラマーの求人もゲームアプリ開発の求人などが増えている傾向にあります。
対して、テレビゲームの開発部門は少子化や開発費の高騰などの影響で、市場は縮小しています。
にも関わらずテレビゲーム開発の方が派手なグラフィックなどで人気があるため、求人倍率は高くなります。
ちなみに、職歴や学歴はあまり重要視されません。
コンテンツ制作をする上で様々なバックグラウンドの方が求められるためです。
そのため、特に大学でガッツリ学んだ方でなければダメといったことはありません。
未経験や文系からでも大丈夫!
ゲームプログラマーは、未経験からでも比較的転職しやすい職種です。
実際に、40歳くらいの方が新人として入社するということもあります。
ただどの業種でも同じですが、歳を重ねれば技術的な面や人間性が求められます。
自分より年下に教えられることに抵抗がないことや、年功序列の考えがなければ問題ないかもしれませんが・・・。
「文系からでもゲームプログラマーになれるのか?」と不安視される方は多いですが、さきほどもお伝えしたとおり基本的に高度な数学知識は必要ありません。
そのため、文系からでも十分ゲームプログラマーになることは可能です。
ただバックエンドエンジニアのように高度な技術を必要とする場合は、さらに深い数学的な知識が必要とされますので、その分多く勉強する必要はあります。
限界年齢は?30代以上でもなれる?
実際、30代でゲームプログラマーに転職される方も少なくないので、30代や40代でもゲームプログラマーに転職することは不可能ではありません。
しかし、さきほどお伝えした通り、年齢を重ねるにつれて技術も人間性も期待されますので、その点若い人よりもやる気などを持って取り組む必要があるでしょう。
ただ、大手の場合年齢次第で年収が決まってくることも多いため、30代以上の未経験からの転職はなかなか難しいかもしれません。
とはいえ、これまでの他業種の経験などをふまえ、これからの業務にどう活かしていくかをアピールできれば採用されることも十分に考えられます。
30代であっても絶対に採用されないといったことはないため、チャレンジしてみましょう。
未経験からゲームプログラマーになるための方法
数学は高校レベルでOK!勉強しておくべき知識とは
CGはすべて数学的な知識の上で実現されているため、基本的な数学などの知識は必須です。
具体的には三角関数、ベクトル、行列などの高校レベルの数学ができればプログラマーとしてやっていけます。
もう一つはプログラミング言語の習得です。
テレビゲームなどの家庭向けゲームを開発したい場合は、C、C++言語を習得するのがオススメです。
任天堂、MicroSoft、Sonyから提供される機能はほとんどC、C++で提供されているため、ゲームを開発する場合はC、C++言語を使用することが多いんです。
スマートフォン向けゲームアプリ開発をしたい場合は、iPhoneアプリ向けにObjective-Cなどの知識が求められます。
ただObjective-Cは、あくまで家庭向けゲーム開発で必要とされるC言語の拡張版です。
なので、C言語を習得されている方はそれほど抵抗にならないでしょう。
また、最近ではゲームエンジンの知識も求められる場合があります。
UnityやUnrealEngineなど、有名な無料のエンジンがあるので、一度触ってみることをオススメします。
特にUnityエンジニアの需要は最近高まっていて、ネット上に情報もたくさんあるのでオススメです。
ただUnityもプログラム言語を習得する必要があり、C#、Javaを習得する必要があります。
C#についてはC、C++とも共通点が多いため、家庭向けゲーム開発を目指す方はそちらを使っていきましょう。
オススメの勉強方法
オススメの勉強方法は、ひとまず企業にアピールできるゲーム作品やアプリを作成することです。
ゲームの開発では、完成させないと何もできていないのと同じです。
要するに未経験で何も作品がない人は何もできない人とみなされてしまいます。
なので勉強すると同時に、何か作品を作るように心がけましょう。
Unityなどで、ゲームを1から作成する方法を解説した書籍なども多数出版されています。
参考として、こういった書籍もぜひ活用していってください。
スクールについては、あくまで知識の幅を増やす際に利用していきましょう。
ゲーム関連の開発はどうしても時間を要することが多いので、時間が限られたスクールだけで何か作品を作ることはどうしても難しくなります。
こちらはあくまで自身で身につけることが難しいと思ったものだけ受講するなど、自分に足りない分野を選択していくのがベストです。
オススメの資格
資格については、プログラミングについて体系的に学べる「C言語プログラミング能力認定試験」を受験するのがオススメです。
また、「基本情報技術者試験」の資格があると最低限のIT知識を持っていると見られるため、他業種からの転職に有利です。
ただ、私は資格のみを重要視することはおすすめしません。
ゲームプログラマーに限った話ではありませんが、プログラマーは何ができるかが肝心です。
資格はあくまで知識を持っている証明で、実績を証明してくれるものではありません。
ですので、質の良い作品を提出した方がより採用されやすくなります。
作品を見ている会社側も、実際のプログラムのデータを確認できるので安心です。
作品を作ることを最優先で転職活動をした方が、結果的にスムーズに転職をすすめやすいです。
応募書類や面接でのポイント
応募書類に関しては提出の作品が一番大事です。
というのも、ゲームプログラマーとしてやっていけるかどうかは、よっぽど経歴が悪いといった場合をのぞき、作品や実績でしか判断できないことが多いのです。
実際、履歴書に書いていることがどれだけ素晴らしくても、いざ現場で働いてみたら・・・という場合もあります。
これではその人のためにも、会社のためにもなりません。
社会人として最低限の知識やマナーなどは必要ですが、何よりもその作品を作ったこと自体が自己PRになるように、作品の質を高めていくことが大切です。
面接では、謙虚になる必要はありません。
自分が提出した作品や取り組んできたことを、自信を持って伝えましょう。
面接に向けて必死に作品に取り組んでいれば、その情熱は必ず伝わります。
求人の探し方や会社選びのポイント
テレビゲームとモバイルゲームの開発では現状が違うので分けてお伝えします。
テレビゲーム開発
テレビゲーム開発の業界に転職する時には、大手の開発を請け負う中小の開発会社や大型ゲームを開発する大手のパブリッシャーなどが主になります。
大手の場合は良くも悪くも安定していて、年収も高いです。
しかし、細分化された業務に携わるため数年後に出来る仕事がかたよってしまうことがあります。
中小企業の場合は、どうしても大手よりも年収は下がります。
しかし、メリットも多数あります。
大きなメリットは、人が足りておらず上層部が詰まっていないため、ハイレベルな仕事やリーダー的な仕事に早い段階でつくことができることです。
また、中小企業の場合は倍率も低く、大手よりも採用されやすいので未経験の方にはおすすめです。
さらに、将来的に年収を上げるためには、採用されやすい中小企業で数年経験を積んだ上で大手に転職するのがオススメです。
未経験では転職しにくい大手企業でも、業界経験者であれば採用されやすく年収も上げることができます。
中小企業である程度レベルを上げた後に行くことも視野に入れておくと良いですよ。
モバイルゲーム開発
最近では、自社タイトルがヒットするベンチャー企業も増えてきています。
そのため、スマートフォン向けゲームアプリなどのモバイルゲーム開発を、大手から請け負っている会社は少ないです。
ベンチャー企業が多いことから年齢層が若い傾向にあるため、年齢関係なく仕事のチャンスが多くあり、早くからリーダーを経験することもできます。
また、働く環境としては同世代の中で働くことが出来るので、モチベーションを高く保つことができます。
企業自体が若いので、技術習得に積極的に取り組んでいる企業も多いです。
ただ、安定性という面ではまだ歴史が浅いこともあり、一つのヒットタイトルだけで会社が存続しているような会社も多い印象です。
ずっと同じ企業で働きつづけることは難しいかもしれません。
ですので、企業選びという点ではヒット作に恵まれている企業を選ぶのがオススメです。
さらに、業務の中で他社でも通用する技術を身につけることが重要になってきます。
モバイル業界はまだ先もわからない業界です。
会社が倒産してしまうと元も子もありません。
ですので、モバイル系の場合は特に有名なヒット作に恵まれている企業を中心に受けていくことをオススメします。
転職エージェントを使うと転職が楽に!
転職エージェントを利用する最大のメリットは、なんといっても無知な業界のことに詳しくその状況などについて教えてもらえるということでしょう。
未経験や異業種からゲームプログラマーへ転職する際にも、転職エージェントを利用すれば有利に転職活動をすすめることができます。
書類対策や面接対策だけでなく、あなたの経歴からゲーム業界を目指す場合に必要なものを教えてもらえます。
また、どんな会社が向いているか、会社選びのアドバイスももらえます。
企業提出用の作品制作前に相談だけでも早めしておくと、希望企業にささる作品作りのアドバイスももらえるのでオススメです。
多くの転職エージェントは、無料で利用することができるので安心です。
面談を受ければ、業界に入るために最新で最短な方法を知ることができます。
自分の置かれている状況を客観的に知る、いい機会にもなりますので気軽に相談してみてください。
まとめ
ゲームプログラマーになるためには、多くの知識が必要になるのは事実です。
しかし実際は、自分自身でゲームを作れればゲームプログラマーとして企業で働くことはできます。
ゲームプログラマーに転職するためのオススメの手順は、まずはゲームやアプリなどの作品を作ること。
作品を1つでも作れば、企業に応募することができます。
運が良ければそこで採用されることもありますし、不採用だったとしても作品はモノとして残ります。
そしてまた作品を作って新しい企業にどんどんチャレンジしていってください。
最近はゲーム開発の企業も多いですし、プログラマーになることは難しくありません。
ぜひゲーム開発に興味はある人はチャレンジしてみてくださいね。
やっぱり好きなことを仕事にできるって良いですよね~。
自分がプログラミングしたゲームが販売されたり、自分で遊ぶ時は本当に嬉しいし楽しいよ!
僕もゲームを作るぞー!