Linux の基礎知識

【Linuxの基礎知識】ディスク管理の完全ガイド!初心者から実践までを徹底解説

Linux基礎知識(全17記事)

├─【Linuxの基礎知識】Linuxとは?基本概要と仕組みをわかりやすく解説!
├─【Linuxの基礎知識】インストールからログインまでの完全マニュアル
├─【Linuxの基礎知識】カーネルの役割と起動プロセスをわかりやすく解説!
├─【Linuxの基礎知識】ファイルシステムを極める!ディレクトリ構造とその関連性を解説
├─【Linuxの基礎知識】ディレクトリとファイル操作を完全マスター!初心者向けガイド
├─【Linuxの基礎知識】初心者向け!Linux管理に役立つ基本コマンド完全ガイド
├─【Linuxの基礎知識】ユーザー管理を極める!アクセス権との連携で強固なシステム構築
├─【Linuxの基礎知識】リンクとiノードについて理解を深めよう!
├─【Linuxの基礎知識】LVMとは? LVMを理解しよう!
├─【Linuxの基礎知識】過去事例から学ぶ!システムセキュリティの基本
├─【Linuxの基礎知識】ディスク管理の完全ガイド!初心者から実践までを徹底解説
├─【Linuxの基礎知識】ネットワーク設定とトラブルシューティングを徹底解説!
├─【Linuxの基礎知識】リソース監視ツールの使い方を徹底解説!
├─【Linuxの基礎知識】パッケージ管理の応用テクニックをマスター!
├─仮想化とコンテナの基本を学ぶ!
├─バックアップとリストアのベストプラクティス
└─RAIDとディスク管理を徹底解説!

現在、企業システムにおけるディスク容量の拡大傾向には目を見張るものがあります。つい数年前まで、数GBのストレージでさえ余裕を持って運用できていた環境が一般的でした。しかし、クラウド技術や仮想化技術の普及、ビッグデータの活用が進む中で、ストレージ需要は増大の一途を辿っています。

これに伴い、Linuxのディスク管理システムも進化を続けています。従来の「fdisk」コマンドでは対応しきれない要件に対処するため、続々と新しいディスク管理コマンドや手法が編み出されてきました。たとえば、GPTディスクに対応した「sgdisk」や、大容量ストレージを効率的に活用できるLVM(論理ボリュームマネージャー)などのツールがその一例です。

こうした進化の中で、Linux初心者から中級者に至るまで、ディスク管理の基本を押さえることは、システム運用の土台を支える上で欠かせません。この記事では、筆者ビープロがこれまでの経験を基に、ディスク管理の重要性とその基礎をわかりやすく解説していきます。

ディスク管理の基本とは?Linuxにおける役割と重要性

そもそもディスク管理ってなんだよ!長年システム開発や運用に携わってきた自分でも、最近の急激な状況の変化を目の当たりにして、「ディスク管理って、本当にこれでいいの?」と改めて考えざるを得ない状況に陥っています。

若手のエンジニアからこんな質問を受けることも増えてきました。
「そもそもパーティションって何のために必要なんですか?」
「直接LUNにPVを作るだけじゃダメなんですか?」
「昔からこうやってきたからだよ!」なんて答えじゃ、さすがに今の時代には通じませんよね。

クラウド技術や仮想化が当たり前になった今、ディスク管理の手法も変わらざるを得ません。それでもシステムの安定性やパフォーマンスを維持し、さらにはスケーラビリティを確保するためには、基本に立ち返ってディスク管理をしっかり押さえる必要があります。

この記事では、そんな「そもそもなんでディスク管理が必要なのか?」という根本的な疑問に答えつつ、現代のLinux環境におけるディスク管理の役割と重要性について、筆者ビープロの経験を交えて解説していきます。

ディスク管理の基礎知識

プロセス管理のタスク

  • パーティションの作成・変更
    ディスクを複数の論理セクションに分割し、用途ごとに管理しやすくする手法です。例として、システム用パーティションとデータ用パーティションに分ける方法があります。
  • ファイルシステムの設定
    ディスクに適切なファイルシステム(ext4, xfsなど)を構築することで、データの効率的な読み書きが可能になります。
  • ディスク容量の管理
    ストレージの利用状況を監視し、必要に応じて拡張や最適化を行います。
  • バックアップとリストア
    データの損失に備えた定期的なバックアップと復元手順の設定が含まれます。

Linuxでのディスク管理が重要な理由

Linuxでは、多様な環境に対応するために柔軟で強力なディスク管理ツールが提供されています。以下に、その重要性を挙げます。

ディスク管理の重要性

  1. システムの安定性とパフォーマンスの向上
    適切なパーティション構成やファイルシステム選択により、システムのパフォーマンスを最適化し、障害リスクを低減します。
  2. スケーラビリティの確保
    LVM(論理ボリュームマネージャー)やRAIDを活用することで、ストレージ容量の増減や冗長性を柔軟に管理できます。
  3. データの保護と復旧の容易さ
    ディスク管理ツールを使用することで、データの損失を防ぎ、障害時の復旧を迅速に行える仕組みを構築できます。
  4. セキュリティの向上
    データの暗号化やアクセス制御をディスクレベルで設定することで、セキュリティの強化が可能です。
  5. 複雑な環境への対応力
    仮想環境やクラウド環境では、ストレージの動的な変更が求められます。Linuxのディスク管理ツールはこうした要件にも柔軟に対応できます。

ディスク管理は、Linuxシステムを最大限に活用するための基盤です。特に初心者のうちからその基本を理解しておくことで、より効率的な運用が可能になります。このスキルを磨いておくことは、Linuxエンジニアとしての成長にもつながります!

MBRとGPTの違いを徹底解説!どちらを選ぶべき?

ディスクの初期化やパーティションを作成するときに「MBR」か「GPT」を選ぶ画面に遭遇したこと、ありませんか?「どっち選べばいいの?」と思いながらなんとなく進めてしまう方も多いかもしれません。でも、この選択って実はめちゃくちゃ重要なんです!ここでは、それぞれの特徴と利点をサクッと解説していきます。

MBRの特徴と利点

まず、MBR(Master Boot Record)って何かというと、昔から使われているディスクパーティションのフォーマット方式です。特徴と利点をざっくりまとめるとこんな感じ:

  • レガシーな互換性がある
    1980年代から使われているフォーマットなので、古いハードウェアやソフトウェアでも対応しています。
  • シンプルで手軽
    最大4つのプライマリパーティションをサポートし、使い方も簡単。

ただし、MBRには限界もあります。例えば、2TB以上のディスクを使えなかったり、パーティション数が制限されている点など、最近の大容量ディスクでは不便になることが多いです。

GPTの特徴と利点

一方、GPT(GUID Partition Table)はMBRの進化版ともいえるフォーマット方式です。最近のシステムでは標準的になりつつあります。特徴と利点はこちら

  • 大容量ディスクに対応
    GPTなら、理論上9.4ゼタバイト(めちゃくちゃ大きい!)まで対応可能。今の2TB以上の大容量ディスクにも余裕です。
  • 多くのパーティションをサポート
    プライマリパーティション数に制限がない(実際には128個程度)ため、細かく分割する必要がある用途にも便利。
  • データ保護機能が強化
    パーティションテーブルのバックアップを保持しているので、壊れた場合も復元しやすい設計になっています。

ただし、古いBIOS環境では使用できず、UEFIに対応している必要がある点には注意が必要です。

GPTを選択すべきケース

じゃあ、実際にどちらを選ぶべきかですが、こんなケースなら迷わずGPTを選びましょう!

  • 2TB以上のディスクを使う場合
    MBRでは2TB以上のディスクを扱えないので、GPTが必須です。
  • 新しいシステムやハードウェアを使う場合
    GPTはUEFIを前提としているため、最新のシステム環境ではGPTを選ぶのが普通です。
  • 多くのパーティションを必要とする場合
    パーティション数に制限がないため、細かい分割が必要な場合はGPTが便利です。

MBRとGPT、どちらを選ぶべきかは用途やシステムの状況によって変わります。でも、今のトレンドとしてはGPTが圧倒的におすすめ!この記事を参考に、自分の環境に合った選択をするのが良さそうです。

特徴MBRの利点GPTの利点
互換性古いハードウェアやBIOSとの互換性がある最新のUEFIと連携し、高い互換性を持つ
最大対応容量最大2TBまで対応可能理論上9.4ゼタバイトまで対応可能
パーティション最大4つのプライマリパーティションをサポートパーティション数に制限がなく、通常128個以上をサポート
データ保護パーティション情報が壊れると復元が難しいパーティションテーブルのバックアップがあり復元が容易
シンプルさ設定が簡単で軽量なため、古い環境での運用が手軽多機能で柔軟性があり、大容量ストレージに最適

Linuxディスク管理に欠かせないコマンド一覧

ディスク管理をする上で、Linuxには便利なコマンドがたくさんあります。でも、どれを使えばいいのか迷ったことはありませんか?ここでは、基本的なものから少し高度なものまで、知っておきたい3つのコマンドをわかりやすく解説します!

fdisk: 基本的なディスク操作

「とりあえずディスクの操作をしたい」というときに便利なのがfdisk。昔からあるツールなので、信頼性抜群です。できることは主に以下の通り:

sudo fdisk /dev/sdX

あとはインタラクティブな画面で操作するだけ!ただし、MBR形式が中心なので、大容量ディスクには向かない点に注意してください。

parted: 柔軟なパーティション操作

「もっと柔軟にディスクを管理したい」という場合は、partedがオススメ!このコマンドはGPT形式のディスクも扱えるので、2TBを超える大容量ディスクでも安心です。

例えば、新しいGPTディスクをセットアップする場合:

sudo parted /dev/sdX
mklabel gpt
mkpart primary ext4 1MiB 100%

GUI的な操作が苦手でも、partedならわかりやすく効率的に作業できます。

sgdisk: 高速で強力なGPTディスク管理ツール

「GPT形式のディスクをサクッと管理したい!」そんなときはsgdiskが便利です。gdiskのスクリプト版ともいえるこのツールは、自動化やスクリプト向けの操作に最適!

例えば、新しいパーティションを追加する場合:

sudo sgdisk -n 1:0:+10G -t 1:8300 /dev/sdX

また、パーティションテーブルのバックアップもワンコマンドでできちゃいます:

sudo sgdisk -b backup.gpt /dev/sdX

速度と効率を求めるなら、sgdiskを使わない理由はありません!現在では、特に理由がない限りもっぱらこの「sgdisk」が主流ではないでしょうか・・

上記の例ではコードタイプとして「8300(Linuxファイルシステム)」を使用していますが、そのほかにも複数のコードタイプが存在します。興味のある方は下記のコマンドを使って確認できます。

sgdisk --list-types

Linuxで使用される主なコードタイプ

以下は、Linuxディスクのパーティションタイプを指定するために使用される代表的なコードタイプの一覧です。

コードタイプ説明用途
8300Linuxファイルシステムext4, xfs などのネイティブファイルシステムに使用
8e00Linux LVMLVM(論理ボリューム管理)の物理ボリューム
8200Linuxスワップスワップ領域
ef00EFIシステムパーティションUEFIブートローダー(通常vFATフォーマット)
fd00LinuxソフトウェアRAIDソフトウェアRAID構成に使用
0700WindowsベーシックデータNTFS/FATパーティション
0c01MicrosoftリカバリWindowsのリカバリパーティション

コードタイプの指定例

例えば、sgdiskを使用してLVM用のパーティションを作成する場合、以下のようにコードタイプを指定します:

sudo sgdisk -n 1:0:+20G -t 1:8e00 /dev/sdX

  • -t 1:8e00: 1番目のパーティションを「Linux LVM」として設定。

補足

なんにせよ、これら3つのコマンドを知っておけば、どんなディスク管理の状況にも対応できます。自分の使い方に合ったコマンドを選んで、Linuxのディスク管理をもっと簡単にしていきましょう!

sgdiskとは?GPTディスク管理の強力ツールをマスターしよう

私が携わるプロジェクトでは、ディスク管理の作業はほとんどリモートで行っています。周りを気にせず、自分のペースで作業できるのは最高です。ただ、その静けさを破るように鳴り響くオンコール…内容を確認してみると、「Linuxの黒い画面でfdiskを触ってみたら、意味不明な英語の質問が次々出てきてどうしたらいいかわかりません!」という若手からのSOS。

いや、気持ちはめちゃくちゃわかるんです。fdiskの対話形式って初めて見ると圧倒されますよね。でも、これを一から説明するのって正直めんどくさい(笑)。そんなときに、知識の継承をちょっとサボってでも使いたくなる便利なツールが「sgdisk」です。

sgdiskは、特にGPTディスクを扱うときに頼れる存在です。「名前は聞いたことあるけど、具体的に何するツール?」と思う方もいるかもしれません。ここでは、この便利ツールの概要から使い方、さらにはトラブルが起きたときの対処法まで、わかりやすく解説します!

sgdiskの概要と特徴

まず、sgdiskとは何かというと、GPT(GUID Partition Table)ディスクを管理するための超強力なコマンドラインツールです。gdiskのスクリプト版として設計されていて、コマンドを組み合わせた自動化に最適です。

sgdiskの主な特徴

  • 高速なディスク操作が可能
    大容量ディスクでもサクサク動くので、作業効率がアップします。
  • バックアップ機能が便利
    GPTディスクのパーティションテーブルを簡単にバックアップ&復元可能。
  • スクリプトに最適
    自動化や複数ディスクの設定に向いています。

基本的な使い方

実際にどんな風に使うのか見てみましょう。以下は、sgdiskの基本的な使い方とその具体例を紹介します。

1. 新しいGPTディスクを作成する

ディスクを初期化してGPT形式にするには、以下のコマンドを使用します。

sudo sgdisk -o /dev/sdX

このコマンドを実行すると、ディスクがGPT形式で初期化されます。注意:これで既存のデータはすべて削除されます!

2. 新しいパーティションを追加する

以下のコマンドで、10GBのパーティションを作成できます。

sudo sgdisk -n 1:0:+10G -t 1:8E00 /dev/sdX

  • -n: 新しいパーティションを作成
  • 1:0:+10G: 1番目のパーティション、先頭から10GBまで
  • -t 1:8e00 : 1番目のパーティションをLVM用に設定。

3. パーティションテーブルをバックアップ

現在のパーティション設定をバックアップするには、以下のコマンドを使用します。

sudo sgdisk -b backup.gpt /dev/sdX

これにより、パーティションテーブルがbackup.gptというファイルに保存されます。

4. バックアップから復元する

バックアップしたパーティションテーブルを復元するには、次のコマンドを実行します。

sudo sgdisk -l backup.gpt /dev/sdX

これで、以前のパーティション設定を簡単に復元できます。

よくあるエラーと対処法

sgdiskを使っていると、いくつかのエラーに遭遇することがあります。ここでは、よくあるケースとその対処法を紹介します。

エラー 1: GPTディスクが認識されない

原因: ディスクがMBR形式のままになっている可能性があります。

対処法: まずディスクをGPT形式に初期化します。

sudo sgdisk -o /dev/sdX

このコマンドを実行することで、ディスクが新たにGPT形式として初期化されます。

エラー 2: パーティションが作成できない

原因: パーティションがすでに満杯か、セクター指定が不適切です。

対処法: 現在のパーティションテーブルを確認して、空きスペースをチェックします。

sudo sgdisk -p /dev/sdX

このコマンドでディスクのパーティション状態が確認できます。必要に応じて不要なパーティションを削除しましょう。

エラー 3: バックアップが適用されない

原因: バックアップファイルが破損している可能性があります。

対処法: バックアップファイルの整合性を確認した後、再実行してください。

sudo sgdisk -l backup.gpt /dev/sdX

すでにディスクがOSに認識している場合は、上記のコマンド実行しても何もいきません。

エラー4: パーティションを作成するディスクが見えない

原因: 新しく接続したディスクがOSに認識されていない可能性があります。

対処法: diskprobeコマンドを使ってディスクを再スキャンします。

sudo diskprobe

復元が正常に完了しない場合は、別のバックアップファイルを使用するか、手動でパーティションを再作成してください。

その後、以下のコマンドでディスクが認識されたか確認します。

lsblk /dev/sdX

もしディスクが認識されていない場合は、物理接続やデバイスドライバの設定を確認してください。

既存パーティションを保持しながら新しいパーティションを追加する方法

Linux環境でLUNの容量が拡張された場合、既存のデータを消さずに新しいパーティションを作成する必要があります。しかし、操作を間違えると既存データが消失する危険があります。ここでは安全な手順を解説します。

注意点: 完全な新規ディスク(LUN)以外で『sgdisk -o』は使わない!
sgdisk -o /dev/sdXを実行すると、ディスク全体が初期化され、すべての既存データが消えます
新しいLUNの拡張や追加パーティションの作成にはこのコマンドを絶対に使用しないでください。

安全な手順

1. 新しいLUNを認識させる

まず、新しい容量がシステムに認識されていることを確認します。LUNを拡張後、OSに容量をリスキャンさせます。

echo 1 > /sys/class/block/sdb/device/rescan

2. 現在のパーティションテーブルを確認

既存のパーティション情報を確認します。この手順で既存のパーティション(データ)が正しく認識されていることを確認できます。

sgdisk -p /dev/sdb

出力例:

Disk /dev/sdb: 500G
Partition table holds up to 128 entries
  1: Start=2048, Size=500M, Type=8300
  2: Start=1026048, Size=100G, Type=8300

重要: 既存のパーティションが表示されない場合は操作を中止してください。誤った操作でデータが消える可能性があります。

3. 新しいパーティションを作成

次に、ディスクの未使用領域に新しいパーティションを追加します。

sudo sgdisk -n 3:0:0 -t 3:8e00 /dev/sdb

  • -n 3:0:0: 3番目のパーティションを作成(空き領域を自動検出)。
  • -t 3:8e00: LVM用パーティションタイプを設定。

4. パーティションテーブルを再確認

新しいパーティションが正しく作成されたことを確認します。

sgdisk -p /dev/sdb

出力例:

Disk /dev/sdb: 500G
Partition table holds up to 128 entries
 1: Start=2048, Size=500M, Type=8300
 2: Start=1026048, Size=100G, Type=8300
 3: Start=2000000, Size=400G, Type=8e00

5. LVMの設定を進める

新しいパーティションをLVMの物理ボリュームとして登録し、ボリュームグループに追加します。

sudo pvcreate /dev/sdb3
sudo vgextend my_vg /dev/sdb3

誤操作のリスクと回避方法

  • 危険: sgdisk -oでディスクを初期化するとすべてのパーティション情報が消えます。
  • 回避策: sgdisk -oでディスクを初期化する場合は、必ずsgdisk -pで現状のパーティション状態を確認し、既存データが存在しないことを確認してから操作を行ってください。

既存のパーティションを保持しつつ、新しいLUN容量を活用する場合は、正確なコマンド操作が必須です。この記事を参考に安全にパーティションを追加し、LVM環境を管理しましょう。

LVMを活用した柔軟なディスク管理

LVM(論理ボリュームマネージャー)はディスク管理を柔軟かつ効率的に行える仕組みですが、ここではLVMとGPTディスクの相性について解説します。既にLVMのセットアップや基本操作についてはおさらい済みの方向けです!

LVMとGPTディスクの相性

現代のシステム環境では、LVMとGPTディスクは最高の組み合わせと言えます。その理由をいくつか挙げてみましょう。

LVMtoGPTディスクの相性

  1. 大容量ディスクへの対応
    GPTディスクは2TB以上の大容量ディスクをサポートしており、LVM環境で必要な広大なストレージ領域を簡単に確保できます。MBRでは2TBの壁があるため、LVM運用にはGPTが必須です。
  2. パーティション数の制限がない
    GPTではプライマリパーティションが128個以上作成可能なので、LVM用の物理ボリューム(PV)として複数のパーティションを自由に割り当てることができます。これにより、複雑なストレージ構成でも柔軟に対応できます。
  3. 信頼性の向上
    GPTディスクは、パーティションテーブルのバックアップをディスク上に保持しており、パーティション情報が破損しても復元が可能です。これにより、LVM環境でのデータ管理がさらに堅牢になります。
  4. 自動化とスクリプト対応
    GPTとLVMの組み合わせは、sgdiskやpvcreateといったコマンドを用いてスクリプトで自動化しやすいのも利点です。これにより、大規模な環境での効率的なストレージ管理が実現します。

LVMとGPTディスクの組み合わせは、現代のストレージ運用においてほぼデフォルトと言える選択です。特に大容量ストレージや複数ディスク構成を扱う場合、その利便性と信頼性の高さが際立ちます。LVMとGPTディスクの相性を活かして、ストレージ管理をもっとスマートにしていきましょう!

ディスク管理のベストプラクティス

ディスク管理は、システムのパフォーマンスや信頼性に直結する重要な分野です。この記事では、ディスクを効率的かつ安全に運用するためのベストプラクティスを解説します。これを参考に、トラブルを最小限に抑えつつ、ストレージを最大限に活用しましょう!

ディスクバックアップの重要性

ディスクバックアップは、最悪の事態に備えるための基本中の基本です。データが失われた場合、バックアップが唯一の救いになることがあります。

なぜバックアップが重要なのか?

  • ハードウェア障害: ディスクの寿命や物理的な故障は避けられません。
  • 誤操作: 誤ってデータを削除したり、パーティションを消してしまうことがあります。
  • マルウェアやランサムウェアの脅威: 攻撃を受けた際に、バックアップが復旧の鍵になります。

バックアップのベストプラクティス

  • 3-2-1ルールを守る:
    • 3つのコピー: データのオリジナルと2つのバックアップを用意。
    • 2つの異なるストレージメディア: ローカルディスクとクラウドなど。
    • 1つをオフサイトに保管: 自宅やオフィス外で保管。
  • スケジュールを自動化: 定期的にバックアップを取る仕組みを構築(例: rsyncやバックアップソフト)。
  • 復元テストを実施: 実際にバックアップから復元できるかを定期的にテスト。

最適なディスク構成の選び方

システムや用途に応じて、適切なディスク構成を選ぶことが重要です。以下にいくつかの基本方針を示します。

1. システムディスクとデータディスクを分ける

システムディスク(例: /)とデータディスク(例: /home)を分けることで、障害発生時のリスクを軽減できます。

2. RAIDの活用

  • RAID 1: ミラーリングでデータの冗長性を確保。
  • RAID 5/6: 複数ディスクでパリティを利用し、耐障害性を向上。
  • RAID 10: パフォーマンスと冗長性のバランスが取れる。

3. LVMの活用

論理ボリュームを使うことで、柔軟なストレージ管理が可能になります。特にディスクの拡張や縮小が容易。

4. ファイルシステムの選択

  • ext4: 汎用性が高く、広く使われている。
  • xfs: 大容量データや並列処理に最適。
  • btrfs: スナップショットや圧縮機能が必要な場合に有効。

トラブルシューティングの基本

ディスクに関するトラブルは、システム運用において避けられないものです。以下の基本的なトラブルシューティング手順を押さえておきましょう。

1. ディスクの状態を確認

コマンド例:

lsblk
df -h
smartctl -a /dev/sdX

2. ログを確認

システムログやカーネルログにエラーが記録されている場合があります。

dmesg | grep sdX
journalctl -u systemd-journald

3. ファイルシステムの修復

ファイルシステムが破損している場合、修復コマンドを実行します。

fsck /dev/sdX

4. ディスクの再スキャン

新しいディスクを認識させる必要がある場合。

echo 1 > /sys/class/block/sdX/device/rescan

5. バックアップからの復元

問題が解決しない場合、バックアップを使用してデータを復元します。

まとめ

ディスク管理のベストプラクティスを押さえることで、システム運用の信頼性を大幅に向上させることができます。バックアップの定期化、適切な構成、そしてトラブルシューティングのスキルを備えて、万全のストレージ運用を目指しましょう!

Linuxディスク管理に関するよくある質問(FAQ)

ディスク管理は、Linuxシステムを運用する上で避けて通れない重要なテーマです。ここでは、よくある質問に答える形で、GPTやMBRの選択、LVMの活用、sgdiskの利用について解説します。

GPTディスクとMBRディスク、どちらを使うべき?

答え: 基本的にはGPTディスクを選びましょう!

現代のLinuxシステムでは、GPTディスクが推奨されます。以下の理由から、GPTを選ぶべきケースが多いです:

  • 大容量ディスクに対応: GPTは2TB以上のディスクに対応しており、ストレージが大容量化する現在、MBRの「2TBの壁」を超えるために必須です。
  • パーティション数の制限がない: GPTでは128個以上のパーティションを作成可能(MBRは最大4つ)。
  • 復元性の向上: GPTにはパーティションテーブルのバックアップが含まれており、万一の破損時でも復元可能です。

MBRを選ぶべきケース

  • 古いシステムやBIOSのみをサポートする環境で必要。
  • 2TB未満のディスクで、レガシー環境を優先する場合。

結論: UEFIやLVMを活用するモダンな環境では、GPTが圧倒的に推奨されます。


LVMを使うべきシチュエーションは?

答え: 柔軟なディスク管理が必要な場合にLVMを使いましょう!

LVM(論理ボリュームマネージャー)は、以下のシナリオで非常に便利です:

  • ディスク容量を柔軟に管理したい場合: パーティションサイズの拡張や縮小が簡単。
  • 複数ディスクを一元管理したい場合: 例えば、複数の小容量ディスクを1つの論理ボリュームとして使用。
  • スナップショットを活用したい場合: データベースのバックアップやテスト環境をスナップショットで簡単に構築。

LVMを使わない場合

  • 小規模でディスク構成がシンプルな環境。
  • 特にパーティションサイズの変更が不要な場合。

結論: データの柔軟性や拡張性を求める中規模以上のシステムでは、LVMの導入がベストです。


sgdiskはどのディストリビューションで利用可能?

答え: sgdiskは多くのLinuxディストリビューションで利用できます!

sgdiskは、gdiskパッケージに含まれているコマンドで、以下の主要ディストリビューションで利用可能です:

  • RHEL系(Red Hat、CentOS、Rocky Linuxなど)
  • Debian系(Ubuntu、Debianなど)
  • Arch Linux系

補足

sgdiskgdiskのスクリプト版とも言えるツールで、特に自動化やスクリプト用途に優れています。ほとんどのLinuxディストリビューションに対応しているため、使えないケースは少ないでしょう。

まとめ

  • GPT vs MBR: 基本的にGPTを選ぶべきですが、古い環境ではMBRを使うことも。
  • LVMの活用: 柔軟なディスク管理やストレージ拡張が求められる場合に最適。
  • sgdiskの対応: 主流のLinuxディストリビューションで利用可能。

この記事を読んだら、次は 「【Linuxの基礎知識】ネットワーク設定とトラブルシューティングを徹底解説!」 を読むのがおすすめです!

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