フリーランスのITエンジニアとして、一番難しいのは「自己管理」と言えるでしょう。
自分の体調管理はもとより、仕事のスケジュール等すべて自分で管理します。もちろんフリーランスに有給休暇等ありませんから休んだ分はそれだけで売上の増減に直接影響します。
トラブルが起きた場合に一緒に誤ってくれる上司はいません。謝罪から調整(リスケ・リカバリ)、リスク管理まですべて自分自身で行う必要があります。
そこでお勧めしたいのが、これからご紹介する手帳を使った自己管理方法「フリーランスの手帳術」です。
フリーランスの手帳術(全10記事)
価値観と目的を考える
キャリアプランを考える上で、あなたが満足な人生を謳歌したいと思うのであれば、まず「あなたの満足とは何か?」という問いに答えられる必要があります。それには将来自分がどんな人間でありたいのか、ある程度まで導き出す必要があります。
そしてそうなるための目標を設定しなければ、一生自分に満足することは出来ません。何故なら、目標なくしては満足度を図る物差しが無いからです。何が満足しているのか判断ができないのです。ところが目標の達成以前に目標自体を設定していない人が実に多いのです。
アメリカでは過去にこの手の研究が盛んにおこなわれており、「未来についての明確な計画を立てていますか?」との質問に「 はい」 と 回答した人は全体の3%に過ぎなかったという話です。
時は過ぎ、10年後の調査で「はい」と答えた3%の人たちの年収は、一般人の年収の10倍を超えていたそうです。ハーバード大学の著名な教授が15年以上の歳月をかけて調べた結果です。
目標の有無とそれを実行したかどうかで、ここまで差がつくのですから、目標を設定することの重要性がよくわかるのではないでしょうか。
しかしながら、この「目標」、言うのは簡単ですが考えるのは意外と難しいのです。ひとつには自分の現在地を把握していないため、目標が設定できないことが原因と考えられます。
価値観の創出
ではどうすれば目標を設定することが出来るのか
それにはまず価値観の創出から始めなければなりません。価値観とは自身の運転する車が誤って車道側面の歩道を乗り越えないように遮断するガイドレールのようなものと考えて下さい。
例えば、目標を年収2000万円と設定した場合、銀行に押し入ってお金を強奪すれば、一見その目標が叶ったように見えますが、法的に禁止された行為であり目標を達成したとしても、それは満足感にはつながりません。
何故ならそれは、すべての国民が等しく共有する「犯罪行為」だからです。よほどの極悪人出ない限りこの「犯罪」に価値観を置く者はいないでしょう。
一例として、下記に アメリカ合衆国建国の父と歌われたベンジャミン・フランクリンの価値観を例示します。
ベンジャミン・フランクリンの価値観
- 節制 頭や体が鈍くなるほど食べない。はめをはずすほどお酒を飲まない
- 沈黙 他人あるいは自分に利益にならないことは話さない。よけいな無駄話はしない
- 規律 自分の持ち物はすべて置き場所を決めておく。仕事はそれぞれ時間を決めて行う
- 決断 なすべきことをやろうと決心する。決心したことは必ずやり遂げる
- 節約 他人や自分に役立つことにのみお金を使う。すなわち無駄遣いはしない
- 勤勉 時間を無駄にしないこと。いつも有益なことに時間を使う。無益な行動をやめる
- 誠実 だまして人に害を与えない。清く正しく思考する。口にする言葉も、また同じ
- 正義 不正な行い、あるいは自分の義務であることをやらないで他人に損害を与えない
- 中庸 何事も極端でない。たとえ相手に不正を受け激怒するに値すると思っても、がまんしたほうがよいときはがまんする
- 清潔 身体、衣服、住居を不潔にしない
- 冷静 つまらないこと、ありがちな事故、避けられない事故などに心を取り乱さない
- 純潔 性におぼれ、なまけものになったり、自分や他人の平和な生活を乱したり、信用をなくしたりしない
- 謙譲 イエスおよびソクラテスを見習う
要は「価値観」という自分自身の法律を作り上げ、そこから逸脱しない範囲での目標を設定する作業となります。
余談
若き「ベンジャミン・フランクリン(※1)」は人生の目標として13の徳目を特定しました。そして1週間に1徳目ずつ、1つの徳目に年間で合計4週間取り組めるように設定しました。
※ アメリカ合衆国建国の父 (100ドル札の人)
目標の設定
ここで一つ「目的」と「目標」の違いについて考えてみましょう。
「目的」と「目標」の違い
目的と目標の違いは、目指すものという意味では同じだが、目的は、最終的に実現しよう、成し遂げよう、到達しようとして目指すもの。 目標は、さしあたって実現させたり、成し遂げたり、到達しようと目指すものをいう。 目標には「目印」の意味もあるように、目的を達成するために設けた目印が「目標」と言えるでしょう。
このブログであえて「目標」としているのは、今現時点の状態で目的まで設定するのは現実的に不可能だと判断したからです。目的に向けた目標レベルからでも十分です。今後10年~15年間分の目標を立てることから始めます。
そしてその目標は価値観に沿ったものであるべきです。まず、目標を下記の6セクションにテーマ分けしていきます。
目標設定の6セクション
- 基礎レベル
- 健康
- 教養・知識
- 心・精神
- 現実レベル
- プライベート・家庭
- 社会・仕事
- 結果レベル
- 経済・物・金
※上記の項目は「 一冊の手帳で夢は必ずかなう」のアイデアが大変参考になりました。
さらに目標のテーマとなる6セクションを三分割し「基礎レベル」「実現レベル」「結果レベル」に分けて行きます。目標のテーマとなる6セクションの基礎レベルとなる部分が「健康」で、「教養・知識」と「心・精神」が残りの二つの課題となります。
つまり「結果レベル」は「実現レベル」の結果であり、「実現レベル」は「基礎レベル」の状態に左右されます。
各セクションに重要度を設定するとするならば、当然「基礎レベル」が最も重要なセクションとなります。心身共に健康な状態でなければ、これから作成する目標設定の実現はありえないからです。
簡単な例として私自身の目標設定例を記載しておきます。
目標設定例
1.健康
1.1. 週二回スポーツクラブへ通う
1.2. 年一回定期健診を受ける
1.3. 年一回歯科検診を受ける
1.4. たばこの本数を減らす
1.5. 体重を標準体重まで減らす【70KG】
2.教養・知識
2.1. 刃を研ぐ
2.2. 現在の最先端情報を入手する
2.3. 文字の教室へ通う
2.4. 本を読む
3.心・精神
3.1. 怪我・病気を考慮して、終身保険
3.2. 常に原則【価値観】に沿った計画を建てる
3.3. 生涯続ける価値ある趣味がある
4.プライベート・家庭
4.1. 冬は常夏、夏は涼しい場所・国への旅行
4.2. 一流の雰囲気に触れ、感性を触発する
4.3. 常に整理された環境を心かげる
4.4. 暇なときに世間話ができる友人を作る
5.社会・仕事
5.1. ビジネスパートナーとなる人脈が十人
5.2. 自社HPでソフト販売を行い、副収入を得る
5.3. 新オフィスを構える
5.4. 社員を増やす
6.経済・物・金
6.1. 会社口座 内部留保:●●●円
6.2. 貯蓄口座 マンション資金:●●●円
6.3. 投資口座 老後資金:●●●円
簡単な 目標設定例 を例示してみましたが、堅苦しく考えず気が付いた時点でちょくちょく変更していけば良いのです。そして上記で作成した目標を、現在から何年目で達成させるかを考えていきます。
これをやってみると本当に自分自身が変化していくのを驚くほど実感します。具体的な方法については下記リンクから詳しく説明していきます。