スマートフォンの普及により、インターネット上の求人広告などで、「フロントエンドエンジニア」や「バックエンドエンジニア」等の募集広告を見ることが多くなってきました。
「フロントエンド」や「バックエンド」とは、いったい何を指しているのでしょうか? また、双方の将来性についても非常に気になるところです。特に昨今は「フロントエンド」の作業範囲に変化が起こり始めています。
作業範囲と言うよりは「フロントエンド」携わるエンジニアの資質の変化と言うべきでしょうか・・
この記事でわかること
- フロントエンドとはなにか
- バックエンドとはなにか
- 双方の将来性
フロントエンドとバックエンドの違い
「フロントエンドエンジニア」や「バックエンドエンジニア」とは、いったい何を指しているのでしょう?
フロントエンドとは?
「フロントエンド(Front-End)」とは、コンピュータシステムにおける、ソフトウェアやハードウェア設計における概念の一つです。
フロントエンドはユーザーから直接見ることが出来る領域を指します。この領域を担当するハードウェアやソフトウェアを「フロントエンド・プロセッサ(Front-End Processor)」といい、「FEP」と表記することもあります。
フロントエンド側の作業は主に、HTML、CSS、Javascript、Reactといったクライアントサイドプログラムを使用して、WebサイトやWebアプリケーションの構築・開発を行うのが基本的な仕事内容です。
バックエンドとは?
「バックエンド(Back-End)」とは、フロントエンドの対として存在する概念です。
バックエンドはユーザーには直接見えない領域を指し、この領域を担当するハードウェアやソフトウェアを「バックエンド・プロセッサ(Back-End Processor)」や「バックエンド・サーバ(Back-End Server)」といいます。
フロントエンドとバックエンドは、対になる関係にあります。
バックエンド側の作業は、Java、PHP、Python、Ruby等のサーバーサイドプログラム、もしくはデータベースやシステムインフラなどの構築・開発、要件定義・設計までを行うのが主な仕事内容です。
双方の将来性について
近年、Web技術が企業システムに急速に浸透してきています。クライアントにWebブラウザを利用することは、今や当たり前の選択肢になってきました。
ネット上の求人サイトには「フロントエンドエンジニア」や「バックエンドエンジニア」の募集が後を絶ちません。
最近では、スマフォアプリの需要に後押しされて「フロントエンドエンジニア」の需要がより高まっています。
ただし、上記でも述べていますが「フロントエンドエンジニア」と「バックエンドエンジニア」の仕事内容は大きく違い、必要とされる言語・スキルも違うことに注意する必要があります。
フロントエンドエンジニアの将来性
フロントエンドエンジニアの作業内容は上記でのも述べた通り、 利用者からみて「見える部分(画面のデザインや静的コンテンツ等)」の設計・開発を担当しますが、昨今、その作業内容に異変が起こっています。
実際に携わって思ったことは、かなりの比率で「SEO(Search Engine Optimization)」の知識が求められるようになってきました。直訳すると「検索エンジン最適化」となります。
ようは、検索エンジンでより上位に表示させたり、クリック数が増え「CV(コンバージョン)」を増やす技術(知識)です。
しかも、一般的なエンジニアよりも「SEO」技術者の相場は、はるかに高額なのです!
「Google Analytics」等のアクセス解析サービスを使用することにより、結果が数値として明確に評価されるため、実績を残すことで想像もつかない金額を手にするフロントエンドエンジニアが増えてきました。
以前は、コンサルタントの領域だったこの「SEO」が、フロントエンドエンジニアの領域へと少しずつですが、確実に勢力を広げつつあります。
私の危険感知センサーがうなりを立てて警戒音を鳴らしています!
※ 私はバックエンド専門ですが、気にせずにはいられません。
なぜなら、エンジニアの聖域(権威性)が確実に、「SEO」技術者に脅かされているからです。しかも「社会人経験ありません」と言った類の人種が「SEO」を武器にして、エンジニア領域を席捲し始めているのです。
ラフな装いでオフィスをうろつく「SEO」技術者の姿は、それまでのプロジェクトのイメージを一変させるほどの破壊力を秘めています。結果を出している為誰も口をはさめません(笑
うまく説明するのは難しいのですが、誤解を恐れずに表現するならば、「農耕民族=エンジニア」VS「狩猟民族=SEO」と言うべきでしょうか・・
これまで「デザイナー」の領域へは、たとえスーパーエンジニアと言われた技術者でさえ、口出しすることはタブーとされてきました。
人間工学の観点から、開発言語やフレームワークなどの技術を駆使して考え抜かれた「UI(ユーザインターフェース)」で設計された「デザイン」は、それだけで一種の芸術に近いものを感じさせます。
この「デザイン」の領域へ「SEO」が攻め込んできているように感じるのは私だけでしょうか・・
結論
フロントエンドエンジニアの需要は、かつて経験がないほどに、ますます大きくなっていくと思います。恐らく人手不足どころの話ではなくなっていくでしょう。
ただし、その業務内容が大きく変化していることを見逃してはいけません。分かりやすく例えるならば、昔の大学入試技術に通じるものがあるように感じます。
「CV(コンバージョン)」につながる「UI(ユーザインターフェース)」には型があり、デザインはその型を基準に作り上げられていくと言えば分かりやすいでしょうか・・
今までの作業内容に「CV(コンバージョン)」率が評価基準に加算されていくと思われるため「SEO」技術の習得は必須です。
バックエンドエンジニアの将来性
バックエンドエンジニアの作業は、「サーバーサイドプログラム」以外にも、フロントエンドで入力されたデータの処理や、データベースへの保存、データ問い合わせなどの処理を実装します。
バックエンドエンジニアは、むしろリリース後の「仕様変更」や「障害対応」に欠かせない為、現在と同様に将来的な需要は高いと思われます。ただし、「SEO」の影はバックエンドにも見え隠れしていることは否めません。
フロントエンドでの問い合わせ時間などが、直接「SEO」に関係してくるからです。作業自体は現在とさほど変化が無いと思われますが、パフォーマンスに関してはかなりのレベルまで要求されるようになるでしょう。
DBの検索処理におけるロジックの見直し、例えるなら(B-tree)の検索時間を短縮するため、検索時に予め「OID(オブジェクトID)」を取得しておき、登録・更新時のWhere句に直接OIDを設定するなど、より内部的に突き詰める技術が求められる方向にシフトすると思います。
結論
フロントエンドよりは、比較的安定需要が見込めますが、求められる技術は跳ね上がります。
データーベースを例に挙げると、「Oracle」や「SQLServer]「PostgreSQL」「MySQL」等など、移植性を重視した「ANSI(米国国家規格協会)」規格の重視から、個々の特性を生かした固有の性能重視にベクトルの変化が起こると思います。
要は、データベース技術者ではなく、Oracle技術者、SQLServer技術者の様に目的とするシステムに最も有利な技術を持つエンジニアへ付加価値が付加されていくと言いう意味です。
データベースを例に説明しましたが、あくまでも一例にすぎません。「H/W」「OS」「M/W」に至るまで精通することが求められていくと思います。
まとめ
今後、エンジニアに求められるものは、技術以前に付加価値の領域へ突入していきます。すべてに精通しているに越したことはありませんが、IT技術の習得には膨大なコスト(時間、お金、気力)がかかります。
口で言うのは簡単ですが、実際には非常に厳しいものとなるでしょう。今後、エンジニアとして生き抜いていくためには、トレンドを把握していくことが最も重要です。結果から逆算して、その時点で使える一番良い技術を習得することが重要です。余程知名度の高い企業or商材を持たない限り、技術だけで食べてい行ける時代ではなさそうです。
まずは、今の自分を取り巻く環境(社会的・組織的・認識)の立ち位置を把握してみましょう。昨今はウォーターフォール型の設計手法が影を潜めアジャイル開発なる手法が台頭してきました。そんな目まぐるしい変化を強要されるIT業界において、自分を取り巻く環境を把握するには「Sqripts」などの情報発信メディアを活用するのが最も効率が良いのではないでしょうか?